県議会質問

2.地域医療の充実について

続いて、「地域医療の充実について」質問致します。

地域医療の充実についてお聞きします。 博多区の有床診療所の火災で患者10人が死亡した火災から、今日11日で2ヶ月となります。

犠牲になられた方々に心からお悔やみを申し上げる共に哀悼の意を表します。今後、二度と行政の不作為があってはならないとの思いから質問に入ります。

この火災があったのと同じベット数が19以下の有床診療所は、地域医療に欠かせないもかかわらず、医師1人で外来と入院治療を行う施設も少なくありません。しかも、火災のたびにルールが厳しくなったグループホームでもなく、今回の火災により有床診療所の現状と問題点も浮かび上がらせることになりました。

それは、病院に長期間入院するのが難しい一方で、一人暮らしの高齢者や老老介護の家庭が増えたため、高齢者の受け皿として、有床診療所が福祉施設化しているということです。

しかし、防火対策の基準は甘く、スプリンクラーの設置義務対象は、診療所では床面積が6千平方メートル以上のものだけで、この有床診療所は666平方メートルで対象外でした。

この間、認知症の高齢者が暮らすグループホームは、5人が犠牲となった2月の長崎市の火災を受けスプリンクラーの設置義務が決まりましたが、点検の裁量は自治体に委ねられています。

そこで二度と同じ過ち、人災を起こさないための有床診療所、並びに病院施設の今後の対策について、知事に6点お尋ねします。

Q1:

  • この火災事故後、ただちに本県は緊急点検を行ないましたが、その対象と緊急点検結果についてお尋ねします。あわせて、防火・防災対策の徹底のため、どのような取り組みを緊急に行われ、その結果はどうであったのかお尋ねします。

Q2:

  • 防火扉は、「建築基準法」により半年から3年に1度の点検が義務付けられています。一方で、有床診療所などを対象に含むかどうかは、各自治体で対応にばらつきがあります。
  • また、「消防法」に基づいて、消防署や業者が査察や点検を定期的に行っていますが、実際に作動するかどうかの確認は義務付けされていません。これでは、火災時に、防火扉が経年劣化などで正常に作動しない恐れがあります。
  • 実際、本県では病院の防火扉の定期点検は行われているもの、診療所のほかに老人福祉施設やグループホームでは定期点検が行われていません。
  • そこで、本県として、今回の火災事故を教訓に、診療所と老人福祉施設、グループホームにおいて、防火扉の定期点検を行い、作動の確認をするなど、全国に先駆けて病院施設における災害弱者を守る制度をつくるべきと思いますが、知事の考えをお尋ねします。

Q3:

  • 長崎市のグループホーム火災を受け、スプリンクラーの設置義務が決まりました。県では、現在、スプリンクラー設置の検討をされていますが、義務化が当然と考えます。検討結果はどうであったのか。また、県の補助は不可欠と思いますが、その考えについてお尋ねします。

Q4:

  • 本県の保険医師協会は、火災後、県内407ヶ所の診療所を対象に、防火態勢などのアンケート調査を行っています。そこで、このアンケート調査結果の主な内容についてお聞きし、どのように受け止められたのかお尋ねします。
  • その上で、県としてアンケートの声を生かした、診療所に対する今後の施策は何であるととらえてあるのかお尋ねします。

Q5:

  • 災害弱者の地域高齢者を火災から守ることについてお聞きします。博多での有床診療所火災を教訓に、消防と地域の連携をどのように改善され、1人暮らしなどの災害時要支援者台帳づくりなど、緊急時に火災から守る支援策は、今後どのように充実・改善されたのかお尋ねします。

Q6:

  • 福岡市では、防火扉の未設置などの不備を建築部が指摘していたにもかかわらず、消防局と福祉部は把握していませんでした。
  • このことを教訓として、本県と市町村の情報の共有など、どのように指導・改善を行われ、行政の担当者が「互点検し、情報を共有する態勢づくりをどのようにされるのかお尋ねします。