県議会質問

2.『県歯科口腔保健推進計画』の数値目標ならびに具体的な取り組みについて

第2の質問項目は、『福岡県歯科口腔保健推進計画』の数値目標ならびに具体的な取り組みについてです。

本県の『歯科口腔保健推進計画』では、乳幼児期から高齢期まで、それぞれの時期の特性に応じ、また、保健・医療・社会福祉・教育等様々な分野の関係機関と協力し、総合的かつ効果的に歯科口腔保健に関する施策を推進するとして、数値目標が掲げられています。

その項目としては、1つには「乳幼児・学齢期のむし歯のない者の増加」、2つには「歯科疾患の予防」、3つには「歯の喪失予防」、4つには「口腔機能の維持・向上」、5つには「検診実施率の向上」となっています。

① そこで、幼児の2歳児歯科健診と妊産婦の歯科健診について質問します。
生後6ヶ月頃から乳歯が生え始め、生後1歳6ヶ月頃になると、上下12本の前歯と4本の奥歯が生えてきます。

この時期はまだむし歯になっている子は少ないのですが、2歳児になると、乳前歯、乳犬歯、第一まで生えてきて、この時期からむし歯に成る子が増えてきます。特に前歯の歯の間と下の乳臼歯部に顕著に現れてきます。

2歳から2歳半の幼児を対象に、親子で仕上げ磨きの仕方や食事指導と合わせて、むし歯予防を行っている自治体が全国的にあります。

現在、県内で2歳児歯科健診を実施しているのは13市町となっています。

また、妊娠中は、ホルモンバランスの崩れや、つわりで日常の口腔清掃がおろそかになり、歯肉が腫れやすくなったり、歯垢、歯石などが増加し、むし歯になりやすい状態にあるといわれています。また、口の中が酸性になり、歯周病、むし歯やなどの歯の病気になりやすい時期とされています。

妊婦の口腔の健康状態は、生まれてくる赤ちゃんに大きく影響します。歯周病、むし歯などの疾患から歯を守ることは、発育しつつあるおなかの赤ちゃんや子供さんの歯のためにも大変重要なことです。

歯科医師の研究によれば、妊娠中の女性が歯周病にかかっている場合、歯周病にかかっていない妊婦と比べて、早産になったり、低体重児出産のリスクが7倍も高まるというデータがあります。

このようなことから、多くの市町村では「特定健診」で妊婦健診を実施する際に、歯科健診を取り入れています。

しかしながら、出産後の産婦に対する歯科健診については、取り組んでいる市町村は全国的には多くありません。県内の市町村で産婦の歯科健診を実施しているのは10市12町にとどまっています。

そのため、出産後の産婦に対する歯科健診については、「母親健診」のときに併せて取り入れたり、幼児の歯科健診のときに母親も一緒に歯科健診を行うというのが有効だと思います。

今後、県内の全ての市町村において、2歳児及び妊産婦の歯科健診が実施されるよう県としてどのような役割を果たしていくべきか、知事のお考えをお聞かせ下さい。

知事答弁 骨子

問 2歳児と妊産婦の歯科検診について

  • 母子保健法においては、1歳6ヶ月児、3歳児について歯科検診が義務付けられており、県内全市町村で実施されている。
  • 2歳児検診や妊産婦検診は、義務付けされておらず、現在、2歳児は13市町で、妊産婦は22市町で歯科検診や歯科保健指導が実施されているところである。
  • 1歳6ケ月児、3歳児以外の乳幼児や妊産婦に対する検診については、市町村が必要に応じて取り組むとともに、住民に対して、その受診を勧奨することとされている。
  • 乳幼児期は食習慣や生活習慣が確立する時期であること、妊産婦は妊娠期のつわりや不規則な食事などにより口腔内の衛生状態が悪くなることから、県としましては、この時期における歯科検診の意義や正しい知識を市町村に理解してもらうよう、しっかりと伝えてまいる。

② 2点目は、フッ素洗口について質問します。
う蝕予防の有効な方法として、適切なブラッシングと合わせ、フッ化物の応用がいわれています。

フッ化物入り歯磨剤の使用については効果的といわれていますが、今日、低濃度のフッ素をつかっての「フッ化物洗口」のありがたが議論されています。

そこで、本県内の学童期のフッ化物洗口の実施状況とともに、今後の県の対応について、知事にお尋ねします。

知事答弁 骨子

問 学童期のフッ化物洗口の実施状況等について

  • 県内では、久山町内2つの小学校において、1年生から6年生までの全学年を対象に、週1回、フッ化物による洗口が実施されており、一定の成果が出ている。
  • 県では、今年度、科学的根拠に基づくむし歯予防対策として、各学校がフッ化物洗口を導入するにあたって、安全かつ適切に実施する手順を示したフッ化物洗ロマニュアルや、保護者説明用のリーフレットを作成する。
  • これらを活用し、今後3年かけて、全ての小学校において、学校長や歯科保健に従事する職員及び保護者に対して、専門家による研修会を開催し、科学的根拠に基づくむし歯予防の有効性や安全性など、正しい知識の普及啓発に努めてまいる。


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