1.視察要綱

(1)日程

2013年9月2日(月)10:00〜13:45

(2)視察内容

①「ダイハツ九州(株)久留米工場」役員によるブリーフィング
② 工場内(第2ライン)見学
③ 質疑応答

2.視察報告

(1) 「ダイハツ九州(株)久留米工場」役員によるブリーフィング

① 工場側参加者

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今回、視察にあたり、工場側でご対応されたのは、以下のとおりです。

  • 久留米工場長兼管理室長 取締役 齊藤 和彦
  • 技術本部久留米開発センターQCT       上級執行役員 茨木 幹
  • 久留米工場製造課 課長 榊 義人
  • 久留米工場製造課 技術Gr 就任当員 江口 隆史

② 齊藤工場長の挨拶と説明

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まず最初に、齊藤工場長より工場の概要説明を受けました。
内容は、以下のとおりです。

  • 久留米工場は、大きく3つに区分されています。ひとつはアルミを溶かす「溶湯工場」、二つ目はそのアルミを成形する「鋳造工場」、三つ目は「加工・組付け工場」です。
  • このうち、三つ目の「加工・組付け工場」は旧来の第1ラインと、新しい第2ラインに分かれています。
  • この工場で作ったエンジンは大分工場に運こび、組み立てて完成車としている。
  • 明石機会工業九州工場は福岡県朝倉市(平塚261-1)にあり、そこでCVTエンジンを生産している。

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  • 久留米工場は久留米市田主丸町吉本にあり、この工場から、明石機会工業九州工場、大分の中津工場はいずれも60km圏内であり、立地面でも優位な位置にある。
  • 久留米工場は2008年8月から操業開始しています。敷地面積は174,000平方メートル(52,400坪)、建屋面積は第2ラインを入れて27,000平方メートル(8,200坪)。残りの敷地には、今後、「開発センター」を建設する予定です。
  • 現在、生産能力は32.4万基/年となっています。第1ラインの生産能力は21.6万台に対し、第2ラインの生産能力は10.8万台で、第1ラインの生産能力の1.5倍の能力を有しています。
  • 従業員数は437人、うち女性が28名。第1ラインは320人、第2ラインが約120人で、第2ラインの従業員は全員県内雇用となっています。
  • 久留米工場のスローガンは「めざせ生産性世界No1のエンジン工場」としています。5Sの徹底を通じた人材育成で、品質向上につなげています。
  • 第2ライン設立のねらいは、1)現地生産化、2)2拠点化、3)生産性向上です。そして、第2ラインのコンセプトは「〝Green&Clean〟Plant」で、地域の豊かな環境を守り、なおかつ世界で勝ち抜くダントツの競争力としています。

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  • 現在、ダイハツは軽自動車の製造販売に特化しています。そのなかで主力車種が新型「イース」で、ガソリンエンジン最高燃費の33.4kmを実現しています。価格は74.5万円という戦略的な価格で、是非、皆さんにも買って頂きたい。
  • OEMでトヨタ、スバルに車を提供しています。それぞれ顔の部分のマークが違うだけで、中身はダイハツ車です。
  • 久留米工場では、第2ラインが今年の6月11日から生産開始し、7月から2直ラインで生産を行っています。状況ですが、ほぼ目標としている生産台数で推移しています。
  • 新社長の意向で、久留米工場で車台の開発も行うようになっています。そのため「開発センター」を建設することになっています。

③ 茨木上級執行役員の説明

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  • 九州で生産されたものが、愛知で組み立てられているものがあります。そこで、その部品の一つひとつを細かく調べると、九州から調達している部品がかなりありました。そこで、九州で生産されている部品を、直接、九州で調達するようにして、コストを下げています。
  • 世界的なトヨタですが、小さな車はつくれません。そこで、ダイハツの目標は「新興国向けのAセグ車」、すなわち一番サイズの小さい車の内化−開発・調達・生産を進めたい。
  • そのために「開発センター」を建設し、そして産学官との連携も進めたい。
  • 「開発センター」の狙いは、1)スピード、2)アクション、3)チャレンジで、少人数の逃げ場のない環境で、品質力・技術力・人材力を養い、ダイハツの生き残りを賭けます。
  • そして、地域・人との共生を考えています。Green&Cleanと地産池消で、「この会社で働きたい」、「この会社の仕事をしたい」といってもらえる会社づくりを考えています。

(2) 「ダイハツ九州(株)久留米工場」第2ライン視察

ブリーフィングの後は、第2ラインの視察となりました。しかし、第2ライン内に立ち入りは出来たものの、写真撮影は一切できませんでした。

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1台のエンジンには約370点の部品があり、第2ラインではエンジのヘッド、ブロック、クランク、コンロッドを製造し、組付けまで行っています。

第2ラインでは「SSC改革」、すなわちシンプル・スリム・コンパクトを標榜し、第1ラインを比較して、使用する電気、排出するCO2、コストは約半分ほどで済んでおり、高効率の生産工場となっています。

現在、第2ライン内には工場見学用の通路が建設されており、今後、市内の小中学校の生徒さんなど、多くの見学者を受け入れると話をされていました。

(3) 質疑応答

視察の後、何点かの質疑応答を行いました。

  • 効率が半分になったのは、新社長のトップダウン。「絶対にこれをやるんだ」という意思の下で実現した。
  • 工場では主に井戸水を使わせて頂いてる。しかし、使用量は70〜100立方メートル/日程度で、そのほとんどは従業員用のトイレと食堂で使う程度。工場で使っているのは少なく、しかも循環させて使っている。
  • 工場からの排出水は少ないが、浄化して排出している。調整池もあるが、溜まるほど使っていない。

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