県議会質問

平成23年度 12月定例県議会 一般質問 その4

2011年12月12日

平成23年12月県議会:一般質問「本県の産業廃棄物行政について」のダウンロード

2.「本県の産業廃棄物行政」について

まず1点目に、知事は、県に提出されました飯塚市民20,657名もの署名について、どのように感じておられるのか、お尋ねいたします。

2点目に、知事は、「廃掃法」に基づき、必要な対策は行っているとの見解を述べておられますが、『産業廃棄物最終処分場に関る技術上の基準を定める』省令によれば、「埋め立てられた産業廃棄物への安定型産業廃棄物以外の廃棄物の付着又は混入の有無を確認するための水質検査に用いる浸透水を埋立地から採取することができる採取設備が設けられていること。」とあります。
地元でも、当初、処分場内に浸透水採取用設備、いわゆる、そのための井戸の存在を確認していましたが、少なくとも平成18年頃から調査井戸が存在していません。これは、「廃掃法」に基づく省令違反にあたるのではないでしょうか。この点について見解をお聞きします。

3点目に、この内住地区は上水道の設備がなく、生活用水はすべて井戸に頼っています。そのため、周辺住民の方々は地下水汚染、井戸水汚染の不安のなか、問題が発生した平成13年秋以降、10年間、毎日、一年365日、山手のお知り合いの井戸からもらい水をされる生活を送られています。

高裁が行ったボーリング調査で、黄色く濁った浸透水を採取し、分析を行った結果、高濃度の鉛が検出され、健康被害が認定されました。浸透水採取用設備に加え、モニタリング井戸が存在していれば、もっと早くから処分場内の水質汚染の実態が判明していたのではないかと考えられます。

こうしたことから、処分場内の浸透水採取設備の設置に加え、浸透水による地下水汚染、井戸水汚染を監視するためのモニタリング用井戸を設置し、より詳細なモニタリング調査を行い、住民の安全、安心を確保すべきだと考えますが、知事のお考えをお聞きします。
4点目に、福岡高裁の命令に従い、本年5月24日から27日にかけ、埋め立てられている廃棄物の調査のためボーリング調査が実施されました。しかし、5月27日のボーリング調査中、ボーリングが18mの地点に達し、埋められた廃棄物の層に到達した途端、おびただしいほどの硫化水素ガスがすさまじい噴出音を立てて吹き出し、業者もボーリングを中止し、見守っていた人たちが緊急避難する事態に陥りました。

当時、立ち会っていた住民の方は、「恐ろしい思いをした、なぜそんなことが起こるのか、県の職員も立ち会っていたのだから説明してほしい」と訴えておられます。

安定型の最終処分場で、このように大量の硫化水素ガスが発生するということは、安定5品目以外の物が埋められているということを如実に物語っている証左であります。
そこで、お尋ねしますが、県が独自に再度ボーリング調査を実施すべきと考えます。知事のお考えをお聞かせください。

5点目に、上水道施設の設置についてであります。
先ほども申し上げましたが、内住地区は上水道施設が整備されておらず、井戸水に飲料水や生活水を頼っています。

本来、上水道の整備は市町村の義務ではありますが、県として、地元の方々の要望に応え、小規模水道の設置などの対応を行うべきだと考えますが、知事のお考えをお聞きします。

6点目に、本県に「福岡県処分場環境問題連絡協議会」という組織があり、この連絡協議会には飯塚市内住の住民団体を含む、現在、10団体が加盟しています。

これらのなかには、処分場を巡って、住民と業者の間でトラブルになっていたり、県や地方自治体と訴訟を行っている団体もあります。

県には、違法に操業する業者を、厳格に指導する責任があります。また、環境省からの通達、環廃産第260号には「生活環境守るために、速やかに許可取り消しなどの行政処分を行いなさい」とあります。
とくに、産業廃棄物問題の解決については、知事のリーダーシップが不可欠であり、毅然とした態度で臨まない限り解決を見るものではありませんし、将来に禍根を残すことになります。

そこで、小川知事にお伺いいたします。県内各地で産業廃棄物処分場をめぐる住民紛争が絶えないなか、今後、廃棄物問題をどのように解決し、将来によりよい環境を残し、県民の生命や財産と豊かな自然を守るお考えでしょうか。

知事の決意をお聞かせください。