県議会質問

2.PCB廃棄物の処理について

民主党県政クラブ県議団の原中まさしであります。 「PCB廃棄物の処理について」質問致します。

この間、常任委員会でも取り上げてきた経過もありますので、引き続き質問とさせて頂きます。

さて、PCB廃棄物については、PCB廃棄物を確実かつ適正に処理するために、平成13年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」、いわゆる「PCB処理特措法」が制定されました。

これは、ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBは、自然界で分解しにくく、大気や水を媒体として広範囲に拡散・移動し、土壌などに長期間残留する性質を持つことから、人の健康や生活環境に係る被害を生じさせるおそれのある物質ということから、その処理を国挙げて取り組むということで法制定されたわけであります。

法律自体には、処理の期限は明示されておりませんが、別途出された政令により、法の施行から15年後である「平成28年7月」が処理の期限とされていました。

しかしながら、昨年12月に政令が改正され、処理の期限は、「平成39年3月末」まで延長されております。

一方、JESCO北九州事業所の処理期限は「平成27年3月末」のままとなっております。

平成23年9月議会における我が会派の野村 陽一議員が行った進捗状況を質す質問に対する、県の答弁は「処理能力としては、期限内処理は十分可能と考えております。」というものでした。

そこでまず、平成21年度から平成24年度までの県内の進捗率を高圧トランス、高圧コンデンサ、安定器の種別ごとに示した資料であります「本県における高濃度PCB廃棄物の処理の進捗状況について」
を資料要求したいと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いします。

問1:

  • 今、資料について説明頂きましたが、資料の平成24年度末の進捗率を見ると処理が進んでいないように思われます。
  • JESCO北九州事業所の処理期限は「平成27年3月末」では、のあと1年半しかありません。
  • JESCO北九州事業所の処理期限である「平成27年3月末」までに処理が完了する見込みはあるのでしょうか、お尋ねします。

問2:

  • 処理期限内の完了は難しいという回答ですが、それではなぜ、「PCB廃棄物の処理が進んでいないのか、その理由についてお尋ねします。

問3:

  • PCB処理には様々な課題があり、処理が進んでいない状況にありますが、こうした状況を踏まえ、今日、環境省どのような考えをもって、JESCO北九州事業所の処理期限延長に対応しようとしているのか、お尋ねします。

問4:

  • ご案内の通り、北九州市にJESCOの事業所が立地する際は、北九州市、そして市民の方々のご苦労はたいへんなものがあったとお聞きしております。
  • 北九州市にJESCOの事業所を設置した経緯でありますが、PCBを受け入れて処理するということで、北九州市は、学識経験者による委員会を立ち上げ、処理の安全性を確認して、100回以上にわたる住民説明会を通して、市民の皆様に丁寧に説明しながら、大変な思いをして進めてこられました。
  • これは、昨年の東日本大震災による宮城県の災害廃棄物の受入のときと同じような手順を踏んでこられたわけであります。
  • したがって、今回、PCB処理が間に合わないからといって、北九州市は、環境省の要請には簡単に「はい、そうですか。」と応じられるものではないでしょうし、県としても市の置かれた状況を十分汲み取る必要があります。
  • そこで「JESCO北九州事業所の処理期限の延長に対する県の対応について」お尋ねします。

問5:

  • 是非、北九州市の住民の思いをくみ取り、北九州市とも連携し取り組んでいただきたいと思います。
  • さて、処理期限の延長について、環境省の要請を受けた北九州市は、今後、対応について検討をはじめられると思いますが、現在はまだ、未確定のことでもあると思います。
  • いま、県が置かれている状況を考えましたら、まずはJESCO北九州事業所の処理期限である「平成27年3月末」までにできる限り処理を進めるべきであると考えますが、処理促進に向けた県の取組がどうなっているか、お尋ねします。

問6:

  • 処理促進に向けて県が最大限の努力をしていかれることを強く要請いたします。
  • 次に、JESCO北九州事業所は本県を含む西日本17県のPCB廃棄物の処理を行っているため、17県が足並みをそろえて処理促進に取り組んでいく必要があります。
  • 福岡県は、17県で構成される「北九州PCB廃棄物処理事業に係る広域調整協議会」の会長県であり、また、事業所所在地の県でもあることから、これまでも他の16県に対して処理促進の要請を行ってきているとは聞いています。
  • そこで、PCB廃棄物の早期処理のためには、16県においてもなお一層の取組みを進めるよう、改めて強く働き掛けていただくよう要望しておきます。

問7:

  • 最後に、PCB廃棄物処理に関する認識と早期処理に向けた決意を環境部長にお伺いします。