Ⅰ.視察内容

1.視察日程

2014年1月23日(木)〜24日(金) (前日夜、石垣入り。1/23前泊)

2.視察場所

(1) 1月23日(木)

 ①「石垣空港ターミナル」
 ② 石垣市「川平湾」(石垣市川平)
 ③ 石垣市「米原のヤエヤマヤシ群落地 」(石垣市桴海)

(2)1月24日(金)

 ① 沖縄県庁
 ② 那覇空港

Ⅱ.視察報告

1.1月23日(木)

①「南の島 石垣空港ターミナル」

石垣空港ターミナル.jpg石垣空港ターミナル最初の視察先は「南の島 石垣空港」(ぱいぬしまいしがきくうこう)でした。

新石垣空港は、2,000mの滑走路をもつ本格的なジェット化空港となり、本州からの直行便乗り入れが増発したことに加え、国際線ターミナルを併設したことから、海外からのチャーター便、定期便の乗り入れも可能となるなど、八重山地域の玄関口として、地域経済の発展に大きく寄与してい空港1階、正面玄関を入っ  たところ .jpg空港1階、正面玄関を入ったところ ます。

こうしたことから、県議会特別委員会として、現在、県として対策を行っている福岡空港の平行誘導路二重化に加え、将来的な滑走路二重化に向け、新石垣空港を視察することにより、新空港建設にあたっての課題はどういうものがあったのか、また、どのようにしてその課題を克服したのかターミナル案内板.jpgターミナル案内板などを調査、検討するため、現地視察を行いました。

更には、新空港が地域経済にどのような効果を果たしているのかなどを探るため、観光振興の面からも調査を行いました。

石垣空港のターミナルは2階建てで、1階は 到着ロビー、2階は出発ロビーとなっています。

なお、2階から階段・エレベーターを利用すると、4階の展望デッキに行くことができ、空港全体を眺めることができます。

新空港は、正面玄関を入ると、目の前に到着口があります。これは、石垣島を訪れた方を、島挙げてお出迎えするという気持ちを込めた(設計された)ということです。

今回の視察に際し、まず、石垣空港内でレクチャーを頂いたのは、

  • 石垣空港ターミナル株式会社 統括部長 山内 繁雄
  • 石垣空港ターミナル株式会社総務課  課長 吉峯 圭祐
  • 全日空空輸株式会社 貨物事業室 沖縄販売部長 貨物事業室付部長  谷村 昌樹
  • ANAホールディングス株式会社 アジア戦略部 主席部員(兼)全日空空輸株式会社沖縄空港支店 支店長代理 立田 弘士
  • 沖縄県企画部交通政策課 国際空港班長 渡久地 正尚

以上です。
石垣空港の概要説明会.jpg石垣空港の概要説明会
新石垣空港は、石垣市の中心部から約11キロ離れたカラ岳陸上に建設されたが、ここは、もとANAが所有していたゴルフ場を買い取ったというこ石垣空港滑走路.jpg石垣空港滑走路とです。

新石垣空港整備事業費は451億3,635万円です。内訳は、土木工事265億7,865万円、建築工事27億3,735万円、電気通信施設65億9,820万円、用地取得費30億6,285万円、用地補償費50億9,145万円、事務費10億6,785万円となっています。

LCC航空.jpgLCC航空事業規模を縮小する一方、国内・国際の両ターミナルビルを整備し、実質的な施設の機能強化を図っています。

新空港の滑走路は、小型ジェット機しか運航できなかった旧空港より500メートル長い2千メートルで、中型ジェット機が離着陸可能となっていま委員会視察団.jpg委員会視察団す。これにより、200万人以上の乗降客に対応することが可能といわれます(2012年度実績で、約71万人)。

空港の計画容量は、ピーク時の便数で、中型機2機、小型機3機の計5機。ピーク時の旅客数は830人となっています。

羽田空港との直行便のほか、韓国との初のチャーター便なども就航。格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション、バニラエアも路線を開設しています。

また、新空港は市街地から北西の海岸に離れたため、市街地の騒音問題が解消されています。さらに、中型ジェット機の理発着が可能となったため、大阪や東京など日本本土へ直接フライト(相互乗り入れ)が可能となっています。

加えて、離着陸の際、航空機の重量制限がほぼ解消されたため、航空機の性能を最大限に活用することができ、これによりコンテナ輸送も可能となり、マンゴー、パイン、花卉、魚介類などの農水産物を那覇、福岡をはじめ、東京や大阪などの大都市圏に、大量に早く運ぶことができるようになりました。

JTAカウンター.jpgJTAカウンター石垣市は、東京から2,252km、大阪から1,635km、福岡から1,447km、沖縄本島から410kmなのに比べ、台北からだと277km、上海からでも1,000km内という地理にあり、今後は国外にも目を向けた経済・観光戦略を図るそうです。

そのため、新空港は国際線も併設しており、韓国、中国をはじめ、フィリピン、ベトナム、カンボジアといった東南アジア諸国との航路開設(海外ANAカウンター.jpgANAカウンター路線の定期便の就航)に努めるそうです。

出発手続き用のカウンターは、1階左手がANA(全日空)、右手がJTA(日本トランスオーシャン)、RAC(琉球エアーコミューター)となっています。

いずれのカウンターも、ショップ(売店)の前を通っていかなければならず、おのずと購買欲を刺激するようなつくりになっています。

なお、出発ロビーは2階にあります。新空港の特色として、出発ロビー前はガラス張りになっており、飛行機に乗る直前まで、お見送りの方と面接できるようになっており、これもおもてなしの心の一環です。

現在の石垣空港の航空路線は以下のとおりです。

  • ○ 国内線
    • 中部、成田、羽田、関西、神戸、福岡、那覇、宮古、与那国
  • ○ 国際線
    • 台北

休憩場所.jpg休憩場所ターミナル内の物販テナントには15社が入居し(菓子6店、加工食品・生鮮食品・泡盛等6店、雑貨・服飾等6店、竹富与那国特産品1点)、飲食・サービステナントには5社(1階軽飲食1店、1階重飲食3店、サービス1店)が入居しています。

1階のショップ.jpg1階のショップ今はオフ・シーズンということもあり、利用客は少なめでしたが、シーズン中は多くの観光客でにぎわうということでした。
1階のショップ_2.jpg
飲食店と、飲食ができる休憩場所はターミナル1階の左・右に設置されています。
関係者に聞くと、シーズンの繁忙期には着席数が足りなくなるということでした。

物販テナント、飲食店については契約期間などがあるとのことでしたが、常に新味を出していくためには、ターミナルビルとテナントとの話し合いは必要だと感じました。




路線バス乗り場.jpg路線バス乗り場新石垣空港は石垣市街地から15kmほど離れており、車で約30分ほど時間がかかります。
移動手段は、おおむね以下のとおりです。
①バス

  • 空港ターミナル出入口前にバス乗り場がある。
  • 【市街地(バスターミナル)まで】 
    • 所要時間:約45分(鈍行)/約35分(準急) 料金:520円
  • 運行バス会社:南の島のバス会社 東運輸

路線バス乗り場_2.jpg②タクシー

  • 空港ターミナル出入口前にタクシー乗り場がある。
  • 【市街地まで】 所要時間:約30分  料金:約2,500円

③レンタカー

  • 空港ターミナル1Fにレンタカー案内所がある。
  • 空港から各レンタカー会社の送迎バスも用意されている。

※新空港有料駐車場
・1時間:100円
  9時間超24時間以内:1,000円/33時間超48時間以内:2,000円
※48時間を超えた場合も同様の加算体系となる。
・全586台
(一般用400台、身障者専用7台、従業員駐車場99台、バスプール27台、タクシープール60台)

国内線ターミナル.jpg「国内線ターミナル」を視察したのち、一旦、空港の外に出て、空港ターミナルビル右側に併設している「国際線ターミナル」を視察しました。

宮古島行きのプロペラ機.jpg現在、新石垣空港は外国との定期路線はありませんが、台北「桃園空港」との間でチャーター便が飛んでいます。こうしたチャーター便の離発着のときに「国際線ターミナル」が使われています。

沖縄県ならびに石垣空港ターミナル株式会社は、今後「国内線ターミナル」を積極活用し、海外からの観光客を誘致したいとのことでした。

新石垣空港から、宮古島空港と与那国島空港へ定期航路があります。
離島と沖縄、本土とを結ぶ拠点となっています。
当日も、宮古島行きのプロペラ機が離陸して行きました。

② 石垣市「川平湾」(石垣市川平)
③ 石垣市「米原のヤエヤマヤシ群落地 」(石垣市桴海)

川平湾.jpg川平湾新石垣空港の2013年3月開港以後、石垣島ではシーズン中の観光客が増加したということでした。

観光客の増加が石垣市全体にどのような経済効果を生んでいるのか、また観光振興をどのように図るかを知るため、島内の主要な観光地を視察しました。

まず1ヶ所目は、石垣島観光で最も有名な「川平湾」(石垣市川平)を訪れました。
オフ・シーズンということもあり、観光客が押し寄せるということではありませんでしたが、それでも絶えず観光客が足を運んでいました。

グラスボートの従業員の方に話を聞いたのですが、確かに、昨年の新空港開港後は観光客が増加したとのことでした。

米原のヤエヤマヤシ群落地.jpgつぎに視察した先は「米原のヤエヤマヤシ群落地 」(石垣市桴海)でした。ここは石垣島の米原地区にある国定天然記念物のヤエヤマヤシ群落地で、「川平湾」や「米原ビーチ」、「平久保崎灯台」といった観光地とは一味違い、観光スポットとしては比較的静かなところでした。

駐車場からは、鬱蒼としたジャングルのような林を進み、約100m程登ったところに「ヤエヤマヤシ」の群落地があります。

また、途中、板根の立派なギランイヌビワなども自生しており、さながら植物園のようでした。
入口にある売店の方に話を伺うと、ここでも確かに、昨年の新空港開港後は観光客が増加したとのことでした。

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