Ⅱ.視察報告

5.ロイヤルポークグループ

次に、鹿児島県霧島市の「ロイヤルポークグループ」を視察しました。
「ロイヤルポークグループ」は、「農事組合法人 霧島高原純粋黒豚牧場」、産直レストラン『黒豚の館』、「有限会社 霧島高原ロイヤルポーク」の3法人(施設)で構成されています。

「ロイヤルポークグループ」鹿児島県で飼育されている「バークシャー種純粋黒豚」、通称「かごしま黒豚」のブランド化と販売を進めることにより、農家の収益確保はもとより、食と観光とを融合させた地域振興など、農商工観連携の事業展開を図っています。

安心・安全な本物のかごしま黒豚をお届けする為のトレーサビリティの確立

ロイヤルポークグループ_1.jpg

本物を確実にお届けする「霧島高原純粋黒豚」の生産・流通体制

ロイヤルポークグループ_2.jpg

(1)産直レストラン『黒豚の館』

黒豚の館_1.jpg『黒豚の館』は、「農事組合法人 霧島高原純粋黒豚牧場」で飼育したバークシャー種純粋黒豚を使った料理を提供するサテライト型レストランです。

黒豚の館_2.jpgこのレストランで提供される黒豚は、「農事組合法人 霧島高原純粋黒豚牧場」で自然に恵まれた環境のもと、霧島山麓・宮の元より湧き出る清らかな水とさつま芋や独自の飼料が与えられ、肉に熟度を与えるに必要な35週齢、245日の歳月をかけて大切に飼育され た黒豚のみが提供されています。

メニューは、黒豚のしゃぶしゃぶ、黒豚丼、各種定食・ハンバーグ、黒豚カレー、黒豚餃子、黒豚ヒレかつサンドとなっています。
黒豚の美味しさを広く人々に知ってもらうとともに、豚肉の直販、加工品の販売も行っています。

(2)「農事組合法人 霧島高原純粋黒豚牧場」

農場全景.jpg農場全景

黒豚の飼育、紹介.jpg黒豚の飼育、紹介

平社長.jpg平社長

国の「農山漁村活性化プロジェクト支援」モデル認定農家。
霧島市霧島地区に、生産施設を整備することにより、生産物の生産量が増加し、地区内飲食店や宿泊施設等での流通、活用が活発になり、地産地消が推進され、合わせてブランドの確立が図られることで、観光客等の滞在を推進し、都市住民との交流を促進し、地域活性化が図られています。

①農事組合法人の主たる活動

  • 交流拠点の整備
    • 地域間交流を促進するため、農山漁村の有する地域資源を活用し、都市住民への農山漁村に対する理解の促進を目的とした、交流拠点の整備を支援。
  • 生活環境の整備
    • 定住などを促進するため、生活の場である農山漁村の生活環境整備を支援。
  • 農林漁業の振興
    • 定住などを促進するため、農山漁村における基幹産業である農林漁業の振興を図る生産基盤および施設の整備を支援。

②経済産業省・農林水産省 農商工連携88選認定事業者
「農商工連携88選」とは、農林水産業者と商工業者が連携し、それぞれの技術や特徴等を活用し、その先進的な取組みが評価され将来の日本のビジネスモデルや地域活性化を図る事業として認定されています。

(3)有限会社 霧島高原ロイヤルポーク

「農事組合法人 霧島高原純粋黒豚牧場」で飼育した黒豚を屠畜・精肉し、出荷・販売を行う会社です。なお、精肉のみならず、要望に応じて骨、豚足も販売しています。

また、黒豚を使った加工食品の開発・販売、国内外への販路拡大も手掛け、更には黒豚の知名度アップに向け、観光と食を一体化させた地域振興にも取り組んでいます。

①会社のモットー
安心・安全を第一に、地域と連携をとりながらトレーサビリティの確立を目指しています。

②地域循環型農業の探求
黒豚を単なる食肉用の豚としてではなく、『リサイクルアニマル』と捉え、身近にある資源を地域で完結させることによって、大きな波及効果を創出しようという地域循環型農業を育てようとしています。

③観光業の推進
観光地である鹿児島で観光客に最高のおもてなしをするために、地元の特産品を提供することが一番のセールスポイントと考え、農・商・工・観が一丸となって事業に取り組むことで地域活性化を図ろうとしています。

牛や地鶏は各地にそれぞれの銘柄がありますが、黒豚は鹿児島唯一の農産物であり、「黒豚は鹿児島の未来を背負っている」との想いから、日々黒豚と向き合い続けています。

A