Ⅳ.視察報告

1.「福岡県立太宰府特別支援学校」

(7)校内視察

学校側から概要説明を受けた後、校内視察となりました。

まず、校舎一階玄関で校舎全体の見取りの説明を受け、その後、各教室を回りました。

①最初は知的障害者教育部門で、小学部、中学部、高等部の各教室を見て回りました。

校内視察.jpg校内視察の様子知的障害者部門小学部教室.jpg知的障害者部門小学部教室プレイルーム.jpgプレイルーム
知的障害者部門中学部教室.jpg知的障害者部門中学部教室中学部教室前「成長のようす」.jpg中学部教室前「成長のようす」知的障害者中学部美術時間.jpg知的障害者中学部美術時間
知的障害者部門高等部教室.jpg知的障害者部門高等部教室高等部作業学習(清掃).jpg高等部作業学習(清掃)高等部作業学習(菓子作り).jpg高等部作業学習(菓子作り)

②各専門教室(自立活動室、紙工室、陶芸室、農園芸室、清掃室、技術室)

自立活動室.jpg自立活動室紙工室.jpg紙工室牛乳パックを和紙にする作業.jpg牛乳パックを和紙にする作業
陶芸室.jpg陶芸教室.jpg




 写真左:陶芸室
 写真右:陶芸教室

農園芸室.jpg校舎中庭の菜園.jpg




 写真左:農園芸室
 写真右:校舎中庭の菜園

清掃室、技術室.jpg作業風景を紹介する壁新聞.jpg



 写真左:清掃室、技術室
 写真右:作業風景を紹介する
     壁新聞

③次は、肢体不自由教育部門で、小学部、中学部、高等部の各教室を見て回りました。

小学部.jpg小学部中学部.jpg中学部高等部.jpg高等部

姿勢保持椅子、車椅子の生徒の着座等については、ベルトの装着、複数の教員が担当するなど、ダブルチェックしています。そして、教師が生徒から離れるときは、必ず他の教師に声掛けをし、その教師が様子を見ることが徹底されています。

また、発作、事故等、緊急事態の基本的対応について十便に対応できるよう、日頃から個々のシミュレーションが充分に行われています。

「自立活動専科」を設置し、生徒の自立活動の指導が図られています。また、機能訓練、作業療法なども取り入れられています。

更に、様々な人とのかかわりや、学校内外での活動を通じ、人との関わりや集団参加への基礎的能力・態度を養うため、近隣校との交流、共同学習が行われています。そして、集団参加への基礎的能力や基礎学力及び上級学校への進学に必要な学力の向上を目指しています。

④体育施設(体育館、プール)

プール:低学年用.jpgプール:高学年用.jpg





 プール:低学年用、高学年用

体育館1.jpg体育館2.jpg





 体育館

⑤次は、職員室でした。

職員室.jpg5月1日現在、同校の教職員は207名(長期研修、育休、病休で6名が休職中)です。

朝、職員会議が行われているそうですが、子どもの出迎えや親御さんたちの対応などで、全員が一堂に介しての会議などはなかなかできないということでした。

ところで、新設校であるだけに、各教室や施設面では目を見張るものがありましたが、職員室の狭隘さには驚かされました。各自、机といってもパソコン一個分のスペースしかなく、とても事務作業ができる環境ではありませんでした。

学校側は、「各教室に担当先生用の机があるので、事務作業はそちらでやってもらってる」とのことでしたが、労働安全衛生上、問題があると思いました。

⑥次は、訪問教育室でした。

訪問教育室.jpg教室(ここで授業が行われるわけではない)の前には、生徒の紹介や、手紙などが貼られていました。

⑦教育相談室です。

教育相談室.jpgここでは、親御さんによる進路相談、教育相談、家庭相談などを受けています。

また、学校側と、家庭、各関係機関との打ち合わせなどにも活用しているそうです。

⑧その他の施設

交流ホール.jpg放課後支援.jpg

 写真左:交流ホール
     様々な会合、研修
     会、講演会などに使
     われています。
 写真右:放課後支援
     いわゆる「学童保
     育」です。

(8)課題

一階玄関.jpg今回、「県立太宰府特別支援学校」を視察しましたが、新設校というだけあって、施設は素晴らしいものでした。

しかしながら、開校3年目を迎え、当初の予想よりも入学志望者(定員)が増加し、施設不足(クラス不足)、通学バスの混雑などの問題が起こっています。

また、生徒数の増加により、教職員数も増えていますが、職員室の狭隘化、休憩室などの厚生施設不足、休息・休憩や年休が取得しにくいなど、勤務労働条件、労働安全衛生上の問題も如実に現われています。

ハード面、ソフト面ともに、対応が急がれている部分があります。予算などが必要な部分もありますので、今後、県教育委員会に要望していきます。

そして、来年(2015年)3月には、初めて高等部の卒業生を出します。したがって、新卒者の進路保障、雇用保障は同校にとって大きな課題といえます。

卒業者の全員が、希望する進路に進むことができるよう、県教育委員会、県福祉労働部の関係部署に働き掛けていきます。


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