Ⅱ.福岡県議会「宮城県中部震災被災地視察」報告
1.視察概要
福岡県議会野球部は、今野球大会の日程を組むにあたり、もしもの初戦敗退を想定し、二日目の日程として参加した野球部員全員で「宮城県中部震災被災地視察」を予定していました。
結果として、野球は初日敗戦となり、二日目は予定の「宮城県中部震災被災地視察」を実行しました。
なお、今回の「宮城県中部震災被災地視察」にあたっては、本県の元県土整備部長であった現国土交通省東北地方整備局副局長岩崎泰彦氏に、事前に視察の受け入れをお願いしており、当日もご同行頂きました。
また、国土交通省東北地方整備局仙台河川国道事務所長桜田昌之氏、国土交通省東北地方整備局北上川下流河川事務所長佐藤克英氏も同行頂き、被災地の状況ならびに復興状況について現地説明を頂きました。
今回の東北大地震では、東北地方整備局が管理する12水系のうち太平洋側の5水系で合計1,195箇所の被害が発生しており、同整備局では特に被災規模の大きかった29箇所について緊急復旧工事を実施、全ての箇所が完了しています。
2.視察内容
(1)鳴瀬川河口部 野蒜地区被災地
今回の東北大地震において、鳴瀬川では156 箇所(内、堤防の緊急復旧箇所7箇所) において堤防に被害が発生しています。
鳴瀬川河口周辺部の津波浸水は、津波が河口より4〜5km 程度遡上し、内陸についても海岸線から4〜5km 程度の範囲まで浸水域が及んでいます。
野蒜港資料館は海面から約5mほどの高さに建っているのですが、この辺りの津波の高さは7m87cmもあり、野蒜港資料館の1階部分は津波で大きな被害を受けています。
また、野蒜地区は津波で壊滅的な被害を受け、地区全体を高台に移転する計画が進められています。
東松島市によると、野蒜地区住民が高台移転の意向を示したのが昨年(2011年)5月と早く、市は12月には移転先の土地の約9割を確保し、988世帯が移り住む予定となっています。
しかし、移転先は山林で、土地造成に時間がかかり、家が建つのは最短で5年後となっており、住民の中には「5年も待てない」と別の土地を探す動きもあるそうです。A
国土交通省東北地方整備局 副局長 岩崎 泰彦 氏
国土交通省東北地方整備局 北上川下流河川事務所の説明
2011年3月 津波災害直後の野蒜地区(市提供)