Ⅳ.視察報告

1.3月29日(金)

(1)石垣空港ターミナル株式会社との意見交換会(勉強会)
新空港到着後、まず、「国内線ターミナルビル1F会議室」において、石垣空港ターミナル株式会社との意見交換会を行いました。

高良和夫常勤監査役.png高良和夫常勤監査役

山内繁雄課長.png山内繁雄課長

会社側からは、高良和夫常勤監査役、山内繁雄課長ほか、石垣市より3名の担当者が参加されました。

まず、高良常勤監査役より歓迎の挨拶の後、山内課長からはパワーポイントを使って「新空港の説明」と「石垣市観光の概要について」、以下のとおり説明を受けました。

  • 新石垣空港は、石垣市の中心部から約11キロ離れたカラ岳陸上に建設されたが、ここは、もとANAが所有していたゴルフ場。
  • 新石垣空港整備事業費は451億3,635万円です。内訳は、土木工事265億7,865万円、建築工事27億3,735万円、電気通信施設65億9,820万円、用地取得費30億6,285万円、用地補償費50億9,145万円、事務費10億6,785万円となっています。事業規模を縮小する一方、国内・国際の両ターミナルビルを整備し、実質的な施設の機能強化を図っている。
  • 新空港の滑走路は、小型ジェット機しか運航できなかった旧空港より500メートル長い2千メートルで、中型ジェット機が離着陸可能となった。
  • 空港の計画容量は、ピーク時の便数で、中型機2機、小型機3機の計5機。ピーク時の旅客数は830人となっている。
  • 羽田空港との直行便のほか、韓国との初のチャーター便なども就航。格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションも6月以降、関西空港や那覇空港への路線を開設する。
  • 石垣市は、東京から2,252km、大阪から1,635km、福岡から1,447km、沖縄本島から410kmなのに比べ、台北からだと277km、上海からでも1,000km内という地理にあり、今後、国外に目を向けた経済・観光戦略が求められる。
  • そのため、新空港は国際線も併設しており、韓国、中国をはじめ、フィリピン、ベトナム、カンボジアといった東南アジア諸国との航路開設(海外路線の定期便の就航)に努めたい。
  • 新空港開港後の観光入域客の経済効果(シュミレーション)は、建設工事費などの直接効果で370億円、新空港開設による波及的効果で282億円、合計651億円の経済効果と考えている。
  • 間接効果の産業別における生産波及効果が高いのは、1位製造業(76億円)、2位サービス業(50億円)、3位金融・不動産業(48億円)、4位運輸・通信業(40億円)とにらんでいる。
  • 観光入域客予想としては、平成19年度の入域観光客は79万人で、過去最高。これをベースに考えると、平成25年度は73万人と考えており、これを標準推計値とし、10%アップで80万人、30%アップで95万人、40%アップなら102万人となる。
  • 平成25年度73万人標準推計値をベースに考えると、観光産業への直接的経済効果は、1位飲食店(66億円)、2位卸売・小売り(44億円)、3位宿泊業(18億円)と見込んでいる。
  • 今後、新空港を起爆剤に、国内外の観光客誘致活動の強化を図るとともに、地域産業の高収益化を進め、地域の活性化につなげたい。

以上のような説明を受けた後、質疑応答を行いました。

(2)「新石垣空港ターミナルビル」視察
新石垣空港ホームページより.png(新石垣空港ホームページより)
石垣市は、日本最南端・最西端に位置しています。
主産業は観光で、八重山諸島の政治・経済・産業の中心地です。
そして、石垣市を拠点に、日本本土、沖縄本島ならびに八重山諸島との海上・航空交通の拠点地でもあります。

石垣市の面積は約 222.6 km_、島の海岸線長は139.2kmですが、国道など車で通行可能な道路は一周約72kmです。

地理的には、那覇市と410 km 以上離れていますが、台湾とは約270 km しか離れておらず、日本のどの地域よりも台湾に近い場所に位置しています。

また、鹿児島市と同じ距離圏には中国上海市があり、大阪と同じ距離圏には韓国ソウルやフィリピンがあり、東京と同じ距離圏にはベトナムが入るなど、東アジアの国々との貿易や観光など、経済的なつながりが期待できる好位置にあります。

このような地理に位置している石垣市にとって、新空港の建設は石垣市のみならず、八重山諸島の産業・経済発展に大きな貢献と成果をもたらすものとして期待されています。

新石垣空港は、2,000mの滑走路を有するジェット化空港です。これにより、200万人以上の乗降客に対応することが可能といわれます(2012年度実績で、約71万人)。 

また、新空港は市街地から北西の海岸に離れたため、市街地の騒音問題が解消されています。さらに、中型ジェット機の理発着が可能となったため、大阪や東京など日本本土へ直接フライト(相互乗り入れ)が可能となっています。

加えて、離着陸の際、航空機の重量制限がほぼ解消されたため、航空機の性能を最大限に活用することができ、これによりコンテナ輸送も可能となり、マンゴー、パイン、花卉、魚介類などの農水産物を那覇、福岡をはじめ、東京や大阪などの大都市圏に、大量に早く運ぶことができるようになりました。

空港案内_1.png空港案内

空港案内_2.png空港案内

1階ロビー(売店、レストラン).png1階ロビー(売店、レストラン)

ターミナルは2階建てで、1階は 到着ロビー、2階は出発ロビーとなっています。 

本年3月7日に新空港が開港したばかりということもあり、島内の方々も見学に来られるそうで、週末ともなれば1階ロビーは大変な混みようということでした。

実際、私たちが到着した29日(金)は、春休みを利用した観光客に加え、1階ロビーの食堂や休憩室には地元の方々らしい姿が数多く見られました。

正面玄関_到着口.png新空港は、正面玄関を入ると、目の前に到着口があります。

これは、石垣島を訪れた方を、島挙げてお出迎えするという気持ちを込めた(設計された)ということです。



ショップ.pngショップ(売店)の方にお話しを伺うと、3/7の開港以来、人出は順調で、売り上げも当初の予想よりも大きく伸びているそうです。

いまは春休みということもあって、家族連れの観光が多いようですが、年間を通じて観光客が訪れて頂きたいとの期待を述べられていました。

物販テナントには15社が入居し(菓子6店、加工食品・生鮮食品・泡盛等6店、雑貨・服飾等6店、竹富与那国特産品1点)、飲食・サービステナントには5社(1階軽飲食1店、1階重飲食3店、サービス1店)が入居しています。

出発手続き用のカウンター.png出発手続き用のカウンターは、1階左手がANA(全日空)、右手がJTA(日本トランスオーシャン)、RAC(琉球エアーコミューター)となっています。

いずれのカウンターも、ショップ(売店)の前を通っていかなければならず、おのずと購買欲を刺激するようなつくりになっています。

新空港の路線.png

現在、新空港の路線は、

  • JTA:羽田、関空、那覇、宮古、与那国
  • RAC:那覇、宮古、与那国
  • ANA:羽田、関空、中部国際、福岡(夏季のみ就航)、那覇、宮古
  • PEACH:関西国際(2013年6月14日就航予定)、那覇(2013年9月13日就航予定)

2階出発ロビー.png2階出発ロビー

2階出発ロビー_2.png2階出発ロビー

出発ロビーは2階にあります。新空港の特色として、出発ロビー前はガラス張りになっており、飛行機に乗る直前まで、お見送りの方と面接できるようになっており、これもおもてなしの心の一環です。

石垣空港ターミナル株式会社.png石垣空港ターミナル株式会社石垣空港国内線.png石垣空港「国内線」、4F展望デッキ.png石垣空港「国内線」、4F展望デッキ

「石垣空港ターミナル株式会社」は、ターミナルビルの2階にあります。
「国内線ターミナル」を視察したのち、一旦、空港の外に出て、空港ターミナルビル右側に併設している「国際線ターミナル」を視察しました。

国際線ターミナル_1.png国際線ターミナル_2.png国際線ターミナル_3.png

現在、新石垣空港は外国との定期路線はありませんが、韓国「仁川空港」、台湾「桃園空港」と「花蓮空港」との間でチャーター便が飛んでいます。こうしたチャーター便の離発着のときに「国際線ターミナル」が使われています。

国際線ターミナル_4.png国際線ターミナル_5.png国際線ターミナル_6.png

空港の前には400台分の駐車場があります。

今回、貸し切りバスを利用したのですが、バスの運転手が指摘されていましたが、貸し切りバスなどの団体用バスの乗降場所が「国際線ターミナルビル」入り口から離れており、駐車場の一番奥(「国際線ターミナルビル」の前の方)にあるため、大変不便だと言われていました。

事実、荷物をもって団体用バス乗り場まで歩いて行くのは、少々しんどいと感じます。

とりわけ、小さいお子さん連れ、お年寄りの方々にとっては、本当に不便性を感じると思います。「石垣空港ターミナル株式会社」には、ターミナル玄関前での乗り降りが出来るように伝えたいと思います。

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