3.施設ならびに治療等に関する説明

県議会視察団は、到着後、2階「カンファレンスルーム」で施設説明会に臨みました。
最初に、県議会を代表して松尾統章議長が挨拶を行いました。

写真左から、工藤センター長、十時理事長、北村専務理事.jpg写真左から、工藤センター長、十時理事長、北村専務理事次に、『サガハイマット』を代表して、センター長・医学博士 工藤 祥氏の挨拶がありました。
工藤センター長は、「近年、患者さんにやさしいがん治療として放射線治療の適用範囲が広がってきている。なかでも重粒子線治療は、がん組織への線量集中性にすぐれ、がん細胞殺傷効果も一段と高いため、体力を消耗せず、副作用が少なく、短い期間で外来治療が可能になっている。さらに、従来放射線治療の難しかったがんにも治療効果を発揮する。まさに、患者さんにやさしい治療法であり、がん治療の大きな選択肢のひとつとなる。多くの医療施設と連携協力してこのサガハイマットを患者さんのためになる施設とし、重粒子線がん治療の国内の拠点に育てていきたい。そのため、今後ともご支援を願いたい。」と語られました。

その後、重粒子線治療や『サガハイマット』の概要について、理事長・医学博士 十時忠秀氏が説明を行われました。

十時理事長は、「がんの治療法には、手術でがんを取り除く外科療法、抗がん剤などを使用する化学療法、放射線でがんを叩く放射線療法などがある。重粒子線治療は放射線療法の一つである。

重粒子線治療とは、炭素イオンを、加速器で光の速さの約70%まで加速し、これらをがん病巣に狙いを絞って照射する最先端のがんの治療法である。

従来から放射線治療に用いられてるエックス線などは、体の表面近くでエネルギーが最大となり、弱まりながら体の奥へと進み、がん細胞に作用した後も体の奥へと進んでいく。そのため、がん周囲の正常細胞にまでダメージを与えてしまう。一方、重粒子線は、体のある一定の深さでエネルギーのピークを迎え、その前後では弱く抑えられるという特性を有するため、このピークをがん患部に合わせることで、周囲の正常細胞への影響(副作用)を最小限に抑えながら、ピンポイントでがんをたたくことができる。

重粒子線は、がんを細胞を死滅させる力が、エックス線やガンマ線、陽子線の2〜3倍ほど高く、1回の照射で得られる効果が大きいため、照射回数を半分程度まで少なくすることができる。最多で16回の照射まで可能。

さらに、従来の放射線治療が苦手としてきた皮膚にできる悪性黒色腫や骨や筋肉にできる骨軟部腫瘍などの放射線抵抗性がんにも治療効果が期待できる。

質疑応答の様子.jpg質疑応答の様子放射線治療の一つである重粒子線治療は、体を切らずに済むため、治療に痛みを伴わず、がん病巣周辺の臓器や体の形態を温存できる。体に負担の少ない治療法であるため、通院による治療が可能で、高齢などで体力に不安のある方にも治療の可能性が広がる。」と説明されました。

その後、質疑応答を行いました。

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