『サガハイマット』のホームページから引用:各種資料

【資料1:重粒子線がん治療とは】

重粒子線がん治療は、簡単に言うと放射線治療法の一つです。

資料1:重粒子線がん治療とは.jpg

重粒子線がん治療は、炭素イオンを、加速器で光速の60〜80%まで加速し、がん病巣に狙いを絞って照射する最先端の放射線治療法です。

従来の放射線治療で使用されるエックス線やガンマ線は、がん病巣に対して体外から照射すると、体の表面近くで放射線量が最大となり、それ以降は次第に減少していき、体の深いところにあるがん病巣に十分なダメージを与えることができません。また、がん病巣以外の正常細胞にもダメージを与えてしまいます。

一方、重粒子線及び陽子線は、体の表面では放射線量が弱く、がん病巣において放射線量がピークになる特性(ブラッグ・ピーク)を有しています。このため、がん病巣をピンポイントで狙いうちすることができ、がん病巣にダメージを十分与えながら、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが可能です。

特に重粒子線は、陽子線よりもさらに線量集中性が優れ、がん細胞に対する殺傷効果が2〜3倍大きいとされているため、照射回数をさらに少なく、治療期間をより短くすることが可能です。

照射イメージ.jpg

粒子の大きさ.jpg

炭素イオンは陽子の12倍の質量があります。
加速する粒子が重いものほど、つくり出される粒子線の破壊力も大きくなります。

重粒子線がん治療の特徴

① がん病巣にピンポイントで照射
重粒子線は、線量集中性が非常に優れているため、がん病巣にピンポイントで照射することができます。体の深いところにあるがんでも、正常細胞にダメージを最小限に抑えて集中的に狙い撃ちすることが可能です。

【各放射線の生体内における線量分布】

各放射線の生体内における線量分布.jpg(資料:放射線医学総合研究所)

② 痛みを伴わず、副作用が少ない
がん細胞だけを集中的にたたくため、まわりの正常細胞へのダメージ(=副作用)を最小限に抑えることができます。また、痛みがないため高齢などで体力に不安のある方の治療も可能です。

③ 照射の効果が大きい
重粒子線は、陽子線やX線、ガンマ線と比べてがん細胞を殺傷する能力が2〜3倍ほど高く、一回の照射で得られる効果が大きいのが特徴です。

④ 難治性がんの治療が可能
放射線が効きにくいがんや、複雑な場所に生じたために手術が困難ながんも治療することができます。

【資料2:がんの現状】

1.がんの現状

がんは、我が国において死亡原因の第1位であり、2007年(平成19年)の確定数で、33万人以上の方が亡くなられています。その割合、数とも年々増加しています。特に九州・山口地区はがんの死亡率が高く、沖縄県を除き全て全国平均を上回っています。

また、がんの罹患者(=がんと診断された人。上皮がん含む。)も年々増加しており、2005年、2010年のがんの罹患者数の推計値は、それぞれ約66万人、約74万人となっています。年齢が上がるに従い、がんに罹るリスクは高くなるため、高齢化の進行した2020年には、2005年の数からさらに30%増えて、約85万人になると推計されています。A

2.死因別死亡率の年次推移

死因別死亡率の年次推移.jpg

3.九州・山口地区のがん死亡率

九州・山口地区のがん死亡率.jpg

4.がんの罹患者(がんと診断された人)数の推計

がんの罹患者(がんと診断された人)数の推計.jpg