4.施設内視察
(1)『サガハイマット』を受診するには
『サガハイマット』を受診するには、いきなり外来を訪れても診察も診断もしてもらえません。
まず、最寄りのがん診療施設を受診します。そこで、がんの診断、進行度の判定、重粒子線診療適応の判断を行います。あるいは、大学病院の放射線科(重粒子線診療外来)を受診します。その上で、重粒子線診療(私費)希望の確認をします。そして、『サガハイマット』へ紹介され、受診となります。
『サガハイマット』では、まず外来で、重粒子線診療の適応確認し、治療計画を策定します。そして、具体的に治療開始、高確認となります。
治療の後は、『サガハイマット』とともに紹介元で経過観察、追加治療となります。
(2)事前診療のためのCT室
日立製CT、手前のベッドは東芝製『サガハイマット』での治療にあたっては、前述のとおり、がん診療施設や大学病院などで診療を受けていますが、重粒子線診療を受けるための事前検査などを行います。
特に、重粒子線診療はミリ単位でがん部位を重粒子線で照射させる治療であることから、がん部位の詳細な特定を図る必要があります。
そのため、CTスキャナを使い、部位の深さ、大きさ、形状などを図ります。
(3)患者さんに合わせた治療計画ならびに
治療にあたっては、まず患者に必要検査の確認や、治療、副作用等の説明を行ないます。
その後、治療の際に体を固定する固定具の製作や、CT撮影を行い、がんの位置を測定して、治療計画を立てます。また、治療のリハーサルを行ないます。
そして、実際の治療となるわけですが、治療は1日1回、照射時間は1〜2分程度です。照射の位置決めなど準備の時間を合わせても30分程度ということです。
治療終了後は、紹介元の医療機関と連携し経過を観察します。定期的な診療や検査は、基本的に紹介元の医療機関で行うことになります。
(4)診療室
『サガハイマット』には3つの診療室があります。現在は、「A診療室」と「B診療室」が稼働しています。なお、将来拡張予定の「C診療室」(水平・垂直照射)は、次世代型の「3次元スキャンニング照射装置」の導入が予定されています。
「A診療室」は、垂直からの照射を行う診療室。「B診療室」は、水平方向からと、斜め45度からの照射を行う診療室です。
当日は、「B診療室」を視察しました。
この診療室は、患者に対して水平方向と、斜め45度から重粒子線を照射するための部屋です。
(5)ロビーならびに治療ホール
病院玄関を入ると、右手に待合室があり、施設全景模型や、プロジェクト加盟団体(産学官)の名板が飾られています。
院内は、内装は木の温かみを活かしたつくりになっています。「光の中に生きる」と題したステンドグラスには、緑を基調に「光」「大樹」などが表現されています。
そして、待合スペースは、プライバシーに配慮して5つの区画に分かれ、ゆったりとした空間を確保しています。
院内の治療ホールは、患者の気持ちを落ち着かせるため、シックな色合いで統一されています。華美ではなく、陰鬱でもなく、まさに落ち着いた雰囲気です。
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