Ⅱ.視察報告

2.2月3日:JX日鉱日石石油「喜入石油備蓄基地」

JX日鉱日石石油「喜入石油備蓄基地」.jpgJX日鉱日石石油は、原油備蓄基地の喜入基地を運営する企業であり、JX日鉱日石エネルギー(旧・新日本石油)100%出資の子会社です。

(1)会社概要

①事業者概要

JX日鉱日石石油基地株式会社の方より説明_1.jpg

JX日鉱日石石油基地株式会社の方より説明_2.jpg

JX日鉱日石石油基地株式会社の方より説明を受けました

  • 会社名:JX日鉱日石石油基地株式会社
  • 所在地:〒891-0202 鹿児島県鹿児島市喜入中名町2856-5
    • 電話:099-345-1131
  • 設立年月日:1967年 3月
  • 資本金:60億円
  • 株主:JX日鉱日石エネルギー株式会社
  • 事業内容:石油類の貯蔵および受払
  • 従業員数:104名(2013年3月末現在)
  • 操業開始:1969年9月

②施設概要

  • 敷地面積:1,918,000m2
  • 原油貯油能力:735万KL

③タンカー受払隻数 (2012年4月〜2013年3月実績)

  • 受入: 222隻
  • 払出: 596隻  合計: 818隻

(2)沿革

1960

 1967年3月

会社設立

 1969年9月

操業開始

10KL級原油タンク12基完成、原油受入第1船「かいもん丸」入港)

1970

 197212

第1期工事完成(10KL級原油タンク30基完成)、貯油能力330KL

 197512

第2期工事完成(16KL級原油タンク24基完成)、貯油能力720KL

1980

 1989年8月

重油タンク(5KL級)2基を原油タンクへ改造、貯油能力730KL

1990

 1994年4月

バラストタンク(5万KL級)1基を原油タンクへ改造、貯油能力735KL

 1999年7月

環境管理システム国際規格ISO14001認証取得

2000

 2001年4月

本社を横浜から鹿児島に移転

 2002年6月

社名変更「新日本石油基地株式会社」

 2007年5月

タンカー排出ガス処理設備完成

 2011年4月

社名変更「JX日鉱日石石油基地株式会社」

(3)喜入基地の役割

喜入基地の役割.jpg喜入基地の役割は、①備蓄機能、②中継機能、ブレンド機能を持っています。






①備蓄機能
備蓄機能_1.jpg石油会社各社は急激な社会情勢の変化や不測の事態に備えるため、社会的使命として"石油備蓄"を行っています。
備蓄機能_2.jpg民間備蓄量は内需量の70日分、国家備蓄は5,000万KLの備蓄が義務付けられています。

喜入基地の原油タンクは735万KLの貯油能力があります。
また、平均貯油量は510万KLであり、これは日本の石油消費量の約2週間分に相当します。

②中継機能
喜入基地では、産油国(主に中近東)から30万トン(載貨重量トン)級の大型タンカーで輸送された原油の全量または一部を原油タンクに荷揚げし、さらに10万トン(載貨重量トン)級の小型タンカーに積み替えてJXグループの製油所に二次輸送するという中継機能を持っています。
なお、喜入基地を中継する主な理由は次のとおりです。

  • 産油国から大型タンカーで大量に原油を輸送することにより輸送コストが安くなるというメリットがある。(大型タンカーの約70%が喜入基地を中継)
  • 製油所によっては水深が浅く大型タンカーが着桟できないところもあるため、小型タンカーで二次輸送している。

中継機能.jpg

③ブレンド機能
喜入基地には世界13カ国から約27種類の原油を受け入れています。また、各製油所の需要に応じ、原油をブレンドして払い出す原料基地でもあります。
これにより、製油所では市場の変化に対応した原油の精製が可能となり、また、製品毎の適正在庫管理も可能としてます。

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