Ⅰ.視察概要

1.視察日程

2014年2月3日(月)〜4日(火)

2.視察先

(1)2月3日

①九州電力「川内原子力発電所」(鹿児島県薩摩川内市久見崎町)
②JX日鉱日石石油 「喜入石油備蓄基地」(鹿児島県鹿児島市喜入)
③「鹿児島メガソーラー発電株式会社」(鹿児島県鹿児島市七ツ島)

(2)2月4日

①鹿児島県議会(鹿児島鹿児島市)
②産直レストラン『黒豚の館』(鹿児島県霧島市霧島永水)
③「農事組合法人 霧島高原純粋黒豚牧場」(鹿児島県霧島市霧島田口)

Ⅱ.視察報告

1.2月3日:九州電力「川内原子力発電所」

(1)視察概要

「川内原子力発電所」は鹿児島県薩摩川内市久見崎町、川内川の河口にほど近い海岸部にある九州電力の原子力発電所です。九州電力としては玄海原子力発電所に次ぐ2か所目の原子力発電所です。
なお、川内川を挟んだ向かい側には「川内火力発電所」があります。

現在、川内原子力発電1号機は2011年5月から、2号機は同年9月から、メンテナンスのため稼働停止の状態が続いています。
そのため、九州電力は2013年7月8日、原子力規制委員会に川内1、2号機の安全審査を申請し、再稼働にむけた手続きが進められています。

川内原発を巡っては、2012年5月30日、1・2号機の操業停止などを求め、鹿児島県などの住民1,114人が九州電力と国を相手取り、鹿児島地裁に提訴しています。

こうした状況にあることから、会派として「川内原子力発電所」の現状、原子力発電を取り巻く状況、電源供給の在り方を知るべく、現地視察を行いました。

(2)視察内容

①施設
住  所:鹿児島県薩摩川内市久見崎町字片平山1765番地3
用地面積:約145万平方メートル(埋立面積約10万平方メートルを含む)

②発電設備

番号

原子炉形式

出力

燃料・装荷量

運転開始日

現況

1号機

加圧水型軽水炉(PWR)

89kW

低濃縮二酸化ウラン・約72トン

1984年(昭和59)7月4日

定期点検中

2号機

加圧水型軽水炉(PWR)

89kW

低濃縮二酸化ウラン・約72トン

1985年(昭和601128

定期点検中

③発電所のしくみ
加圧水型では燃料に低濃縮ウラン(約4〜5%)を使い、中性子の速度を遅くするための減速材と、発生した熱を取り出すための冷却材には軽水(普通の水)を使っています。

核分裂で発生した熱で高温の熱水を作り、その熱水を蒸気発生器に送り、そこで別系統の水を蒸気に変えてタービンに送りこまれます。このためタービン系には放射性物質がないとされ、従来の火力発電技術がそのまま活かせるという特徴があります。

④発電所建設経過

1964(昭和39)年12

川内市議会誘致決議。

1970(昭和45)年4月

1号機建設計画を発表。

1976(昭和51)年3月

1号機電源開発調整審議会(68回)承認。

1977(昭和52)年3月

2号機建設計画を発表。

1977(昭和52)年12

1号機原子炉設置許可。

1978(昭和53)年7月

2号機電源開発調整審議会(75回)承認。

1979(昭和54)年1月

1号機着工。

1980(昭和55)年1月

展示館オープン。

1980(昭和55)年12

2号機原子炉設置変更許可。

1981(昭和56)年5月

2号機着工。

1982(昭和57)年6月

鹿児島県および川内市との安全協定に調印。

1983(昭和58)年8月

1号機初臨界。

1984(昭和59)年7月

1号機営業運転開始。

1985(昭和60)年3月

2号機初臨界

1985(昭和60)年11

2号機営業運転開始。

1996(平成8年)11

原子力訓練センターオープン。

(3)今後の課題

①稼働状況
川内原発1号機は2011年5月から、2号機は同年9月から、メンテナンスのため稼働停止の状態が続いています。
②再稼働申請
なお、九州電力は2013年7月8日、原子力規制委員会に川内1、2号機の安全審査を申請(再稼働申請)しています。更に、九州電力は現在、「川内原子力発電所3号機」の増設に向けた手続きを行っています。

(※一部、九電ホームページ参照)


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