Ⅳ.視察報告
2.国頭村立「辺土名小学校」視察
国頭村立「辺土名小学校」国頭村の最初の視察先は、村立「辺土名小学校」でした。
「辺土名小学校」は、村の中心にある小学校で、村内にある7つの小学校では一番児童数が多い小学校です。
学校の研修テーマは「互いに学び合う授業の創造〜聴き合い、かかわり合い、伝え合う授業づくりを通じて〜」であり、まさに『まなびの共同体』の精神を実践している学校です。
従前、「辺土名小学校」は全国学力調査や沖縄県到達度学習調査で「できる子」と「できない子」との学力の二極化が顕著だったそうですが、『まなびの共同体』を取り入れることで、学校も、子どもたちも大きく変わったということです。
その様子について、下記のとおり同校のホームページから取り組みを紹介します
本来「すべての子どもに学習を保障するべき小学校において、日常的に子ども達の学習指導の中でいわゆるできる子とできない子を明確に分けてしまった」。すなわち、「子ども一人ひとりに視点をあてると、個人差を助長したとも受け止められる結果を招いた」ことを反省し、『まなびの共同体』を取り組むこととした。
そして「本校においてはこの現実に謙虚に向かい合い、まずは二極化によって下位層に位置する児童の底上げに視点をあて、同時に上位層のさらなる向上を目指し『まなびの共同体』の理念による学習指導を推進し、教師が同僚に支えられながら授業を改善していくことを通して、すべての子ども達に質の高い授業を提供するため「互いに学び合う授業の創造」に努めてきた。
児童が互いに聴き合い、かかわり合い、伝え合う活動などの「互いに学び合う」授業を通して、他者とのかかわりの中から「学び」を習得し、児童は「分かった」「楽しかった」という学習の成就感や達成感を味わい、積極的な学習参加が促され低学力層の底上げと、学習の平等化が保障された結果、先にも述べたとおり、学校も、教師も、子どもたちも大きく変わってきた。
小学校の1・2年生のうちは、教室を「コの字」型を基本とし、子どもたちが教師、子どもたちどうしで聴き合う関係を育てます。
この場合も、教師はできるだけ子どもたちの自主性、主体性を伸ばし、子どもたち同士学び合いを大切にする授業となっています。
そして、高学年になると3〜4人のグループ分けをし、子どもたちが互いに意見を交わしながら、自分たちで答えを導き出すという形式となります。
理科の授業
なお、こうした授業形式は国語や算数といった授業だけではなく、理科や社会などでも同様の形式をとっています。
「授業につかうことば」←これは、理科室の正面に貼ってあった「授業につかうことば」です。
◆答えるとき、◆答えがあってるとき、◆聞こえないとき、◆考えや意見を言うとき、◆説明がたりないとき、◆わからないとき、◆考えや意見がちがうとき、◆たずねるときなど、子どもたちがそれぞれのステージで、どのような態度をとるべきかを記しています。
すなわち、「子どもたちを孤立させない」、「一人ひとりの主体性や自主性を尊重し、学習力、自習力を高める」という『まなびの共同体』の理念が、ここにも活かされています。
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