Ⅳ.視察報告

3.国頭村立「国頭中学校」視察

金城中学校長_1.png

金城中学校長_2.png金城中学校長(右)

次に視察したのは「国頭中学校」でした。

まず、同校の教育方針について、以下のとおりホームページの内容を紹介します。

本校は、「平成25年度校内研修計画」として「きき合い学び合い支え合う協同的な学び」を研究主題に掲げている。

そして、「きき合い学び合い支え合う美しい学校」を教育目標に掲げ、「全教育活動を通じ、続けたくなる授業改善と校内研修+ケアリングによる『きき合う学級』づくりを両輪とした学校づくりを目指している」。

子どもたちが、様々な「人・モノ・こと」とのかかわりの中で「三つの対話」(「教材との対話」、「他人との対話」、「自己との対話」)が三位一体となった協同的な学びにより、生徒一人ひとりの学びを保障し、「確かな学力」の向上を目指していく。

また、「三つの対話」を通した「学び合う学び」により、「言語活動の充実」や沖縄県が目指す「なりたい自分」、「なれる自分」を広げ、「学習意欲の向上」や「キャリア教育の視点を踏まえた『確かな学力』の向上」につながると考えている。

授業は、各学年ともに、子どもたちの学び合いによる「きき合い学び合い支え合う協同的な学び」を基本としています。

1年 国語授業の様子_1.png

1年 国語授業の様子_2.png

←1年 国語授業の様子
大きな声で読み合わせをしています。

2年 社会授業の様子_1.png

2年 社会授業の様子_2.png

←2年 社会授業の様子
グループ分けをして、それぞれに答えを導き出しています。

3年 英語授業の様子_1.png

3年 英語授業の様子_2.png

←3年 英語授業の様子
基本は「コの字型」の授業

現在の中学生は、いずれも小学校時代に『まなびの共同体』で学んだ経験を持っていることから、「訊き合い、学び合い、支え合う」の授業を会得しているようで、グループごとの授業もスムーズに展開していました。
クーラー.png
教室には、年度ごとの計画でクーラーが順次設置されています。
モニター.png






各教室には、モニター、カセットデッキが設置されており、授業に活かしています。今後は、電子黒板など、ICT化をより進めたいとの学校側の意向でした。


Ⅴ.まとめ

国頭村の小・中学校の学力は、2009年の「全国学力状況調査」までは全国で最下位にありました。それが、『まなびの共同体』の学習方式を取り入れた結果、わずか3年程度2012年には全国平均まで学力が上がっています。

国頭村の小・中学校の学力向上はどうしてもたらされたのか、それを確かめるべく現地視察を行ったわけですが、結論は簡潔で「『まなびの共同体』の学習方式を取り入れたから」でした。

『まなびの共同体』の学習の基本である、「聴き合い、かかわり合い、伝え合う」学習活動、すなわち「互いに学び合う」授業を通じ、子どもたちは他者とのかかわりの中から「学び」を習得していました。

子どもたちは「分かった」、「楽しかった」という学習の成就感や達成感を味わい、積極的な学習参加が促されるとともに、低学力層の底上げにつながっていました。

『まなびの共同体』の学習方式により、まさに学校も、教師も、そして子どもたちが大きく変わり、学力向上につながったのです。

今回の国頭村視察に先立ち、去る4月17日には飯塚市内の小中学校を視察し、『まなびの共同体』の取り組みも見てきました。
国頭村、飯塚市ともに、『まなびの共同体』の学習方式が子どもたちの学力向上につながっていました。このことは大きく評価すべきであり、今後、県内の他の地域、学校でも『まなびの共同体』の学習方式を取り入れることを考えていく必要があると思います。

そのためには、『まなびの共同体』の学習方式が他の地域、全ての小・中学校で有効かどうか、しっかりと検証することが肝要です。

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