Ⅱ 視察報告
【7月30日】
1.モンゴル「日本人墓地」慰霊
7/30、最初の視察場所は、ウランバートル市の郊外にある「日本人墓地」です。
モンゴル「日本人墓地」祭壇先の太平洋戦争終結後の1945年10月、ソ連シベリアに抑留されていた旧日本軍人の60万人のうち、1万2318人がモンゴル政府に引き渡され、2年間、同国各地で強制労働させられました。
このうち1500人以上が、飢餓、寒さ、疾病などで命を落としました。この「日本人墓地」は、帰国への悲願むなしく異郷で没した人たちを慰霊する場所です。
「民主党・県政クラブ県議団」として、献花を行い、哀悼の誠を捧げました。
2.「モンゴル国スポーツ省」(モンゴル国オリンピック協会)」
(1)対応者
石黒 之武久 崇城大学総合教育准教授(崇城大学バトミントン部監督)
オトガンツァガーンモンゴル国スポーツ省(オリンピック協会) 事務局長
(2)報告
7/30、2カ所目の訪問先は「モンゴル国スポーツ省(オリンピック協会)」でした。
今回、「モンゴル国スポーツ省(オリンピック協会)」との窓口役としてご尽力頂いたのは、崇城大学でバドミントン部の監督を務められている石黒 之武久准教授でした。
石黒先生は2003年から2005年の2年間、JICAの派遣で設立間もないモンゴルバドミントン協会のナショナルチームの結成の仕事に携わり、初代監督を務められました。また、モンゴルバドミントンチームが来日キャンプをした際にも、石黒先生が指導を行われています。
今回は、そうしたご縁を通じ、「モンゴル国スポーツ省(オリンピック協会)」との共同会見、意見交換ならびに要請を行うことができました。
今回、わが会派が同省を訪問したのは、『2020年東京オリンピック』にあたり、「モンゴル国選手団の福岡県キャンプ(合宿)」誘致のための要請を行うためでした。
現地でご対応を頂いたのは、スポーツ省(オリンピック協会)のオトガンツァガーン事務局長(オット事務局長)でした。
我が会派は本日の訪問にあたり、事前に加地邦雄議長、小川洋知事の親書を携え、それぞれオット事務局長に手渡しました。
オット事務局長は、「民主党県議団の訪問を心から歓迎する。福岡県への我が国選手団のキャンプについては、前向きに検討したい。今後とも、我が国と福岡県との関係強化を図りたい。」と述べられました。
なお、今回の会見・意見交換の場には、「モンゴル国スポーツ省(オリンピック協会)」より、フェンシング、アーチェリー、野球の代表選手やコーチも参加されました。
3.「JICAモンゴル事務所」
(1)対応者
JICAモンゴル事務所 加藤 俊伸 所長
岩井 淳武 次長
荒井 順一 企画調査員
(2)報告
①JICAの活動
7/30、3カ所目の視察先は「JICAモンゴル事務所」です。(JICA:japan international cooperation agency:日本国際協力機構)
「JICA」は、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っています。
今回は、JICAモンゴル事務所の加藤所長により、モンゴルにおけるJICAの活動についてレクチャーを受け、意見交換を行いました。
②加藤所長の説明
- モンゴルは1990年より民主化、市場経済化を推し進めましたが、その急激な変化により都市と農村間の人口移動、農業生産の減少、ゾド(寒害)による家畜の減少、基本インフラの劣化など90年代は非常に厳しい困難に直面していました。
- これらの課題に対し、日本はいち早くモンゴルを支援しました。そのため、モンゴルの人々はとても親日的です。
- 近年、モンゴルは鉱物資源開発などにより、経済成長が続き、物資も豊富に出回り、町は活況を呈してしています。
- 一方、経済格差の拡大や環境問題などの課題も顕在化しています。特に、近年、首都であるウランバートル市への人口流入は深刻な都市問題を引き起こしています。
- 人口130万人のうち、70万人は市郊外のゲル地区に住んでいます。ここは社会インフラは未整備で、電気も通っていません。上下水道もなく、衛生上も極めて問題があります。また、教育の問題は深刻で、未就学児も多い。更に、失業率も高く、雇用の問題もあります。
- JICAは、こうした社会問題の解決とともに、ガバナンスの強化のための人材育成、産業構造の多角化、基礎的社会サービスの向上、一局集中するウランバートルの都市機能の強化などの分野で支援を行っています。
- モンゴルの人々は平均年齢が20代であり、未来に向けて大きな希望を持っています。
- JICAは、こうしたモンゴルの人々を支援しています。
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