「3・11東北大震災」
宮城県内被災地視察(政務調査)報告 その2

2021-06-10

3・11東北大震災_宮城県内被災地視察_09.pngこの高台の一角に、「東日本大震災慰霊之碑」が建立されています。
女川町の全体が見渡せるところにあり、亡くなられた方々への慰霊とともに、震災復興にかける地元の方々の想いを一つにする、まさに象徴的な場所ともいえます。










その後、女川町の震災廃棄物(がれき)一時仮置き場を視察しました。
現在、町内の震災廃棄物については、東伊勢・伊勢・北伊勢地区の民有地を借り上げ、そこに野積みされています。その廃棄物の量といったら、まさに驚愕の一言です。
町内の震災廃棄物の量は推定44万4千トンとされ、通常町内から排出される廃棄物の、なんと115年分に相当するそうです!!
廃棄物の高さは2階建てビルほどもあり、道の両側、1kmにわたって続いています。そのほとんどは混合がれきでしたが、現在、別の場所で分別が進められており、搬出‐搬入のトラックが何十台となく、ひっきりなしに出入りしていました。
廃棄物の山からは、粉じん、臭い、汚染水といった2次的な問題も出ており、町にとってもこの震災廃棄物処理は緊要の課題であるとのことでした。

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3・11東北大震災_宮城県内被災地視察_11.png女川町 須田善明 町長今回の女川町視察にあたっては、町側のご配慮により、各種資料を準備して頂いた上に、レクチャーの時間も取って頂きました。
そして、須田善明町長も会議の時間を割いてご対応頂き、町の現状、課題などについてお話を頂きました。
町長をはじめ、職員の皆様に感謝申し上げます。


女川町を出て、今度は石巻市に向かいました。夕刻になったため、当日の視察は石巻市の魚町地区までとしました。

石巻市魚町は、「石巻漁港」(特定第3種漁港−利用範囲が全国的な漁港のうち、水産業の振興のために特に重要であるとして政令で定められた漁港)のある地区で、水産物卸市場をはじめ、水産加工場が立ち並ぶ、石巻市最大の漁港エリアです。
「石巻漁港」の水揚げ岸壁の長さは1,200m、水産物卸市場の上屋根の長さは652m、いずれも日本一の長さを誇り、水揚げ量、水揚げ高ともに日本有数の大漁港です。

しかしながら、津波による被害に加え、地震によりこの地区全体が太平洋側に大きく沈み込んだため、漁港の海岸部分の全域が海水に浸るという被害状況となっています。
ちなみに、石巻市内の全漁港(県管理10港、市管理34港)すべてが被災に遭っており、現在、市管理漁港34港は、物揚場の応急嵩上げによって、27地区がようやく常時冠水しないような状況となっています。また、防波堤破損流出多数、定置網や養殖施設はほぼ全壊です。

「石巻漁港」の水産物卸市場は現在でも使えず、臨時の市場が近くに開かれるなど、何とか、漁の再開、市場の再開はできているものの、水産加工場のほとんどは、いまだに再開のめどが立っていません(水産加工業及び冷蔵庫84社−再開30社、その他の関連事業123社−再開38社、普及率32.9%)。A

3・11東北大震災_宮城県内被災地視察_12.png津波被害を受けた石巻市魚町地区:水産加工場3・11東北大震災_宮城県内被災地視察_13.png津波被害を受けた石巻市魚町地区:水産加工場