Ⅰ.日程および視察場所

1.2013年11月13日

「土岐プラズマリサーチパーク『核融合科学研究所』」

2.2013年11月14日

(1)「クラックひるがの『十世代エネルギーパーク』」
(2)白川村役場にて「世界遺産の活用による地域振興政策」についてヒアリング・意見交換
(3)世界遺産「白川郷」視察

3.2013年11月15日

(1)石川県議会「防災・減災対策について」ヒアリング・意見交換
(2)石川県庁「災害対策本部」視察

Ⅱ.視察報告

1.11月13日:「土岐プラズマリサーチパーク『核融合科学研究所』」(一部、施設HPより引用)

今回、最初に視察したのは岐阜県土岐市「土岐プラズマリサーチパーク」内にある『核融合科学研究所』です。

ここは、安全で環境に優しい次世代エネルギーの実現をめざし、大学共同利用機関として国内や海外の大学・研究機関とともに、双方向の活発な研究協力が進められています。また、教育機関として、次世代の優れた人材を育成し、社会と連携しながら、核融合プラズマに関する基礎的研究・教育を強力に推進されています。

今回の視察では、小森彰夫所長、竹入康彦実験統括主幹、市岡昭博管理部総務企画課対外協力室長より説明を受け、質疑応答をして頂きました。

(1)施設概要

これまで、人類は、石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料 をエネルギー源として、現在の高度な科学技術産業社会を作り上げてきました。しかし、化石燃料の消費は大量の二酸化炭素や窒素酸化物を生み出して地球環境に深刻な影響を与えつつあり、その埋蔵量にも限りがあります。将来に向けた安全で環境にやさしい新しいエネルギー源を手に入れることは、世界共通の最重要課題となっています。

そこで、着目されているのが太陽や星のエネルギーの源でもある〝核融合〟です。核融合は、大気汚染物質を発生せず、海水中に燃料となる物質が全て含まれていることから、実現すれば人類は恒久的なエネルギー源を手に入れることができます。また、低放射化材料を使うことにより、構造材の再利用も可能となり、優れた循環型のエネルギーを完成させることができます。

その核融合の学術研究拠点となるのが、この『核融合科学研究所』です。現在、全国・全世界の研究者コミュニティの知が結節する中核拠点となっています。

(2)施設紹介

核融合発電を実現するには、燃料を高温で高密度のプラズマ状態にする必要があります。『核融合科学研究所』は、日本が独自に研究を進めてきたヘリオトロンと呼ばれる磁場を用いた「大型ヘリカル装置」(LHD)による高温高密度プラズマの生成・閉じ込め研究が行われています。

そして、研究室ではスーパーコンピュータを駆使したLHDの実験解析および広範な理論・シミュレーション科学研究。さらに、核融合発電炉を建設するための核融合工学研究を軸に研究が進められています。

この結果、1988年の『核融合科学研究所』創設以来、核融合科学研究のトップランナー、世界の研究拠点としての役割を果たしています。

現在のペースで研究が進展すれば、あと25〜30年程度で確実に核融合発電を実現できる見通しといわれています。

核融合発電は、石油などの化石燃料、原子力発電に替わる理想のエネルギーとなります。『核融合科学研究所』では、そのための基礎研究が行われています。

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