県議会質問

「本県の薬物使用防止対策ならびに薬物を使用しての運転の規制条例の制定について」

民主党・県政クラブ県議団の原中まさしであります。通告に従い、政務活動費に基づき、一般質問を行います。

本題に入る前に、先ほど、本議会でも黙とうを致しました通り、本日3月11日は、「東日本大震災」の発生3年目となります。地震、津波及びその後の大きな余震により、亡くなられた方と行方不明者は、本年1月末時点で、死者1万5884、行方不明2,640人となっています。

犠牲になられた方方々には、心から哀悼の誠を捧げますとともに、いまなお避難生活を強いられておかれる方々は26万7,419人にも上っています。

被災者の方々の生活再建、被災地の一日も早い復興を願うとともに、わが会派としても復興支援を全力で進めて参ることを決意して、質問に移らせて頂きます。

それでは、はじめに本県の薬物使用防止対策について質問致します。

なお、今議会では、代表質問二日目、公明党の森下議員の代表質問の中で、薬物使用防止対策が取り上げられ、また、一般質問初日に阿部弘樹議員が同様に質問されていますので、重なる部分は割愛させて頂き、質問に入らせて頂きます。

まず、薬物使用防止対策についてであります。

本県のホームページでは、「違法ドラッグ、いわゆる脱法ドラッグとは、麻薬、覚醒剤等と類似の有害性が疑われる物質」としたうえで、「これらドラッグを使用した後に車を運転し他人をけがさせた例、錯乱状態で他人を殺害した例、過量使用により急性中毒死した例も報告されている。」、「覚せい剤や麻薬に指定されていないため、合法などと言われ、安心であるかのような誤解がありますが、決してそうではありません。」と指摘しています。

すなわち、本県においては、薬物使用については、MDMAやMDAなどに代表される錠剤タイプで、直接、口から摂取するもののほか、タバコのように紙巻や葉巻などの吸引物。また、お香のように物質を焚くことによって、結果的に吸引するようなもの。さらには、肌に塗ったり擦り込むようなアロマ系のタイプのものなどありますが、いずれのものにせよ、中枢神経に作用し、覚せい作用や幻覚などを起こさせる物質を含む薬物については、全て使用してはならないとしています。

県として、県民、市民に対して、こうした薬物は「買わない、所持しない、使用しない」ということを強く求め、徹底しているところです。

そうした立場からいいますと、どのようなタイプにせよ、中枢神経に作用し、覚せい作用や幻覚などを起こさせる物質を含む薬物はすべて使用禁止ということで、そこには「薬事法」で規制されている物質を含まなければ合法という認識は有すべきでなく、したがって〝脱法〟という使い方、用語自体も問題があると考えています。

グレーゾーンというのは存在しない、すべて黒、違法であるという姿勢を強く持つというのが私の考えでもあります。

〝脱法〟という言葉を使うことで、違法ではないというふうに正当化したり、はては買ったり、使用したりする者も罪悪感を自ら希薄化させるのではないかと思います。

「薬事法」による規制では、対象となるドラッグやハーブ類が指定薬物でなければ有害性立証が低く、いわゆる〝脱法ドラッグ〟とされています。

しかし、〝脱法〟ということで「薬事法」の規制から逃れられるとか、違法性を免れるということではありません。

前段で述べましたとおり、本県は合法であるとか〝脱法〟であるということではなく、「薬物の使用はすべてやめよう」ということで訴えているわけですので、「絶対ダメ!」というのを、もっともっと県民へ伝えていかなければならないと考えます。

そこで、中枢神経系の興奮、抑制または幻覚の作用を有する薬物についての取り締まりならびに防止対策について、2点、知事に質問致します。

まず1点目は、本県では、ハーブ店から無作為にハーブを抽出して買い上げ、検査しているとのことですが、これまでにどれくらいの製品について検査を行い、そのうち、どれくらいから指定薬物が発見されたのでしょうか?
また、違反が発見された場合は、業者に対してどのように対応されてきたのでしょうか、お聞き致します。

2点目に、薬物使用禁止に向けた啓発についてであります。
取り締まりに加え、この啓発は極めて大切な取り組みだと思います。特に、若者に対する啓発については重要であります。

日常的に、若者がよく利用する施設の一つにコンビニエンスストアがあります。このコンビニを利用しての啓発が効果的と考えますが、対策をお考えであればお聞かせください。

次に薬物使用が要因と考えられる重大な自動車事故に関してであります。

去る2月4日、福岡市中央区天神1丁目の渡辺通4丁目交差点において、男性二人が乗った乗用車が突然急発進、暴走をはじめ、停車中の車両に次々と衝突するという事故が発生しました。

この事故が起こった現場は、九州一の繁華街・天神の中心部であり、渡辺通というきわめて交通量の多い場所です。事故発生時間帯は午後11時15分頃とはいえ、平日のその時間帯は多くの車両が行きかう場所であり、ひとつ違えば死亡事故にもつながる、極めて危険性の高い事故でした。

現在、関係機関により、慎重な取り調べが行われていると聞き及びますが、今後、事実関係の判明とともに、事故に対する責任の追及を強く求めるものであります。

そしてなにより、いかに再発防止を図るかというのが問われている事故でもあります。

そこで知事に、2点、お聞き致します。

1点目は、ハーブの吸引が原因と疑われる今回の天神での交通事故の発生に対し、小川知事としてどのようご認識をお持ちなのかお聞き致します。
そして、再発防止を含め、今後どのように対策を取り組まれるのか、お聞き致します。

2点目は、薬物を使用しての運転の規制についてであります。

薬物を使用して車両を運転することに対し、条例で規制できるものであれば、規制条例をつくるべきだと考えますが、知事のお考えをお聞き致します。

本項の最後に、県警本部長にお聞き致します。

薬物などの影響により、正常な運転ができないおそれがある状態で車を運転している者の取り締まりについて、県警本部長のお考えをお聞かせください。