県議会質問

平成24年度 2月定例県議会 一般質問 その1

2012年3月6日

平成24年2月県議会:一般質問「自転車交通問題について」のダウンロード
福岡県議会 録画中継:原中誠志「自転車交通問題について」へ

「自転車交通問題」について

民主党・県政クラブ県議団の原中であります。通告に従い、政務調査に基づき、今回は「自転車交通問題」について質問致します。

近年、健康にいい、ダイエットできるという健康志向。CO2 を出さない環境にやさしいというエコ志向。更には、通勤に関しても、ガソリン高などで自動車から自転車に乗り換えたり、定期代が浮くといった節約志向。満員電車に乗らなくてよい、帰りに色々なところに寄り道できるといったことに加え、バイク用ファッションに身を包み、スポーツ自転車にさっそうとまたがるというファッション性の高まりなどから、自転車利用者は急増しています。

自転車利用の増加を裏付けるデータとして、「財団法人 自転車産業振興協会」が調査した数字として、昨年、平成23(2011)年の1年間に国内で製造、輸入された自転車の台数は1,055万2千5百台に上り、対前年比約150万台の伸びとなっています。

そして、これも同じく「自転車産業振興協会」の平成20(2008)年度の全国都道府県別の自転車保有台数ランキングですが、福岡県内の自転車保有台数は約187万台で、全国9位に位置しています。県民2.7人に1台の割合の保有台数となっていますが、自転車の利用が最も多い年代である中学生から50代後半までの世代で言いますと、ほぼ、一人一台の割合と言われております。
先ほど述べました理由により、自転車利用増加のなかでも、特に自転車での通勤者、いわゆる「自転車ツーキニスト」と呼ばれる人たちが増えています。

特に、昨年「3月11日東北大震災」では、関東圏でも交通がマヒし、「帰宅困難者」が大量に発生しました。震災後、関東圏で実施された「3・11東北大震災事における帰宅困難者」調査の結果、で3月11日のうちに帰宅ができなかった「帰宅困難者」は約515万人発生したと推計されています。

このように、震災による都市交通機能のマヒ、マスコミによる「帰宅困難者」の報道もあり、3・11以降、地方都市でも「自転車ツーキニスト」が急増している要因の一つとなっています。

県内の「自転車ツーキニスト」については、その数は、特に福岡市周辺において顕著であります。なかでも西日本有数の商業地域であり、また、経済・金融機関などが集中する天神地区への人口流入は大変多く、自転車通勤の台数は増加傾向にあります。

北部九州圏都市交通計画協議会が平成17年に実施した「第4回北部九州圏パーソントリップ調査」では、福岡市内全域において、通勤、通学の手段として、主に自転車を利用している人の割合は、通勤では9.0%から13.7%へ、また、通学では14.5%から17.4パーセントへそれぞれ増加するなど、自転車利用は増加しています。これを福岡市中央区天神地区に限定してみますと、通勤では2.6%から8.5%に急増しています。

また、私の事務所で独自に自転車通行状況を政務調査しました。先月2月20日、午前7時から9時までの2時間、国道202号線「国体道路」のうち、「けやき通り」西側4か所で集計した結果、城南区や西区、早良区など西部方面から天神に向かう自転車の台数は2,899台にも上りました。

この日以外にも、2月21日、22日、24日、「明治通り」で西区・早良区方面から、「日赤通り」で南区方面から、「明治通り」、「国体道路」、「住吉通り」で博多区方面から、それぞれ天神方向に向かう自転車の台数を調査したところ、いずれの個所でも1,000台前後の自転車の数が記録されました。

この週は、寒波で寒い日が続いており、雨模様の日も多かったのですが、それでもこれだけの自転車の台数をカウントすることになりました。

ちなみに、福岡市中央区では、夜間人口に対し、昼間人口は約180%にまで膨らみます。それくらい、区外からの通勤、通学者が多いということであり、バス、地下鉄といった公共交通機関に加え、先ほど来より指摘しています「自転車ツーキニスト」が多いことも実地調査から明らかであります。

しかしながら、近年の自転車保有台数の急伸、「自転車ツーキニスト」の急増などにより、自転車が関連する事故発生件数も増えています。

県警交通部交通企画課が作成されました平成23年12月末の「交通事故統計資料」によれば、交通事故自転車関連は全体の17.2%を占め、対歩行者、対自転車が増加しているのが特徴です。

県内のうち、福岡市内では、全体の交通事故発生件数は平成19 年以降減少傾向にあるものの、自転車が関連する交通事故発生件数は、平成10 年以降、14 年連続で3千件台を記録し、平成23 年は3,279 件で、平成13年と比べ243件増加しています。県内全体で自転車が関連する交通事故は7,439件ですから、44%が福岡市内で発生していることになります。

また、自転車と歩行者の交通事故発生件数も増加傾向にあります。平成13 年の14件から増加傾向を示し、平成21 年から3年続けて50 件を超えて発生し、昨年度は56件と10年前の4倍以上に増加しています。歩道をわが物顔で走るほか、携帯電話で話したり、イヤホンで音楽を聞いたりしながら運転するなど、利用者のモラル低下も問題となっています。