この一年間の県議会報告
2013年「5月臨時県議会」〜2014年「2月議会」 その3

2018-01-04

2013年「9月県議会」報告

1.議会の主な内容(堤県議の代表質問、補正予算、意見書など)

9月定例県議会は9月12日に開会し、22日間の日程で、10月3日に閉会しました。2月議会で今年度予算が成立したことを受けて、本9月議会は補正予算案の提案が1件、条例8件、契約3件、経費負担6件、その他1件、合計19件の議案の提案がありました。補正予算は、景気を下支えする事前防災・減災の公共事業を追加すると共に、昨年7月の豪雨災害に伴う被災箇所の早期復旧を図るための災害復旧費を増額。併せて、厳しい電力需給状況や電気料金の値上げ、燃油・飼料価格高騰などの喫緊の課題に対応するため、エネルギーの確保、省エネ・節電対策、農林水産の低コスト生産体制転換対策などに要する経費として、135億円を補正予算として計上しました。補正後の予算規模は、1兆6、452億円となります。

代表質問は、2ヶ月前から準備する会派の8回の政策審議会を経て、9月19日に堤かなめ議員(博多区選挙区)が行いました。今回の質問のため民主党・県政クラブ県議団は、7月29日から8月3日の間、欧州合同原子核機関セルン(巨大加速器研究所)、ILO(国際労働機関)、コンピューター制御のスマート・アグリ(大規模園芸農業施設)、シャモニー市観光局(自然環境保護)、農業とケア(福祉)を連携した福祉農園などの視察を行い、本県の喫緊の課題である「国際リニアコライダー」ILCの誘致問題、労働政策、高収益農業などを見聞してきました。これらを受け、代表質問では、2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催都市が東京に決定したことで、日本社会全体が元気を取り戻す好機ととらえ、東日本大震災からの復興や福島第一原発事故を克服した姿を世界に示すと同時に、安心・安全のスポーツの祭典の成功を願い質問に入りました。ILCの誘致、福岡空港・北九州空港の一体的なハブ空港としての空港将来ビジョン、地域振興としての住宅政策の転換、連合福岡と連携しての本県の労働政策などを知事に質しました。

意見書の関係では、県政クラブから「少人数学級推進、義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書」(連合福岡、福教組からの要請)を提出し、採択することができました。

これらの経緯を踏まえ、合計19件の議案が可決され、議会は閉会しました。

民主党・県政クラブの代表質問の項目と主な内容、並びに一般質問、そして知事、教育長の答弁は、次の通りでした。

Ⅰ.代表質問

1.知事の基本姿勢について

①「国際リニアコライダー」ILCの誘致問題(視察を基に質問、他会派と質問競合)

  • Q1.研究者のILC立地評価会議が、北上山地を候補地とする一方的決定について。
    • A1.大変意外。納得いく説明がない。評価の納得いく説明を求める。
  • Q2.日本学術会議が、ILCの国内誘致は時期尚早と判断したことについて。
    • A2.国民の英知を結集し、今後、本格的論議をしてもらいたい。

②福岡空港と北九州空港の運営のあり方(他会派と質問競合、翌日新聞報道)

  • Q1.福岡空港と北九州空港の現在の運営形態について。
    • A1.①両空港とも滑走路・管制塔は国管理。着陸料は国土交通大臣が定める。②福岡空港、借地を除き用地・滑走路・管制塔・駐車場国所有。ビルは民間。③北九州空港、用地・滑走路・管制塔は国所有。ビル・駐車場は民間。
  • Q2.福岡空港、北九州空港の収支状況について。
    • A2.①福岡空港はキャッシュフローベースで60億4千万円赤字。8種類の計算方法あり。借地料、環境対策費の影響で赤字幅が大きい。②北九州空港は2億5100万円赤字。
  • Q3.福岡空港で建設する平行誘導路、ターミナルビル等の建設費は、誰がいくら負担?
    • A3.平行誘導路は国事業、約100億円。地元負担対象は半分、1/3地元負担。
  • Q4.福岡空港の民間委託の場合、滑走路増設のための建設負担金等の軽減について。
    • A4.事業費約1、800億円、1/3地元負担。負担は変わらない。(再質追求)
  • Q5.福岡空港の民間委託と、福岡空港と北九州空港の一体的運営について。
    • A5.福岡空港、検討組織10月設置し検討。

(一体的運営の答弁なし。)(一体的運営の空港ビジョンを要望)

③産業廃棄物最終処分場の措置命令後の対策(翌日筑豊版で新聞報道)

  • Q1.飯塚市の産業廃棄物処分場に対する措置命令の履行状況について。
    • A1.措置命令の着手期限が過ぎても着手されていない。遺憾。
  • Q2.この業者の不履行状況に対し、県の指導は。
    • A2.措置計画書を提出し、着手するよう繰り返し催告を行っている。
  • Q3.この業者に対する制裁措置について。
    • A3.措置命令を履行しない場合、廃棄物処理法の罰則対象。
  • Q4.行政代執行について。
    • A4.言及する段階ではない。
  • Q5.2004年、撤去の措置命令を受けた筑紫野市の最終処分場問題について。
    • A5.処分場区域外への飛散・流出はない状況。崩落防止対策を業者に求める。

2.既存住宅流通の活性化について(陳情に基づき質問、陳情者7人傍聴)

  • Q1.郊外住宅団地の再生としての、福岡県あんしん住み替え情報バンク事業について。
    • A1.2004年度創設、住み替え実績285世帯。住み替え進まず民間へ移行。
  • Q2.住まいの健康診断について。
    • A2.2011年度から費用一部助成、診断実績278件、診断物件6割成約。
  • Q3.リノベーション推進事業補助金制度について。
    • A3.今年度診断予定戸数200戸見込み、補助戸数120戸を設定。
  • Q4.耐震改修費補助制度について。
    • A4.今年度末、耐震改修促進計画の策定60全市町村の見込み。実施市町村は11。

(実施率の低さを再質追求)

  • Q5.地域経済の活性化を目的とした住宅リフォーム助成制度の創設について。
    • A5.個人の財産にあたり困難。リフォーム市場の活性化で地域振興につなげる。

(地域経済活性化としての住宅政策の転換を再質)

3.本県の労働政策について(連合福岡と連携しILO視察・質問)

  • Q1.I L O条約と差別撤廃について。
    • A1.男女間賃金格差が存在、是正を求められている。国に批准を要望している。
  • Q2.本県労働者の実態について。
    • A2.非正規6割女性、正規に比べ雇用は不安定、低賃金、能力開発機会が不足。
    • A2.時給、常用労働者約2、200円、パート約1、000円と半分以下の水準。
  • Q3.新たに施行された改正労働契約法について。
    • A3.法の遵守のため、労使双方の理解促進が不可欠。
  • Q4.最低賃金引き上げの取組みについて。
    • A4.本県経済全体のパイが持続的に拡大する好循環の実現が必要。
    • A4.中小企業の経営基盤の底上げのため、金融と経営一体となった支援を行う。

(本県の80万人の非正規労働者への波及を再質)

  • Q5.男女共に能力を発揮し、仕事と家庭を両立できる社会の実現について。
    • A5.子育て応援宣言企業登録数4、600社、女性97.7%の育休取得率。
    • A5.男性0.7%、取り組み向上を図り、男女とも仕事・家庭両立できる職場を。

4.オール・イングリッシュ授業推進のための教育環境整備について

(6月議会質問時の調査約束を受け)

  • Q1.プロジェクターの常設、英語専用教室の設置等の調査結果について。
    • A1.県立高校1校平均約9台配置。95校中41校が必要と回答。
  • Q2.英語専用教室の設置について。
    • A2.設置していない57校中、28校が必要と回答。
  • Q3.県立高校からの要望等について。
    • A3.電子黒板などICT機器の整備が13校、海外研修など研修の充実が11件、少人数指導のため教員配置が3件。優先順位を考慮し、必要に応じ対応検討。

Ⅱ.一般質問(質問者と項目・登壇順)

  • 守谷正人議員
    • ・ふるさと納税について・学校施設の耐震化について(翌日新聞報道)
  • 宮浦寛議員
    • ・行政改革大綱について・障がい者の就労と社会参加について
  • 原中誠志議員
    • ・在福岡外国公館の誘致について
  • 田辺一城議員
    • ・子どもの遊びの実態とその改善策について
    • ・子ども会育成会と青少年アンビシャス運動の活性化について
    • ・学校と家庭、地域連携による子どもの体力向上について
  • 冨田徳二議員
    • ・介護職員の処遇改善等について・国際交流友好協定等について
    • ・飲酒運転撲滅運動の推進について(質問日25日は飲酒運転撲滅の日)
  • 中村誠治議員
    • ・農林水産物等の輸出強化について
  • 野村陽一議員(翌日新聞報道)
    • ・2020年夏季東京オリンピック・パラリンピックについて
    • ・女性警察官の採用・登用拡大について
  • 仁戸田元氣議員
    • ・指定管理者制度の県政への影響について・重度心身障害者の支援について

Ⅲ.採択された意見書・決議

  • ホテル・旅館等建物の耐震化の促進に関する意見書
  • 少人数学級推進、義務教育費国庫負担制度拡充を求める意見書(民主党県政)
  • 若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書
  • ウイルス性肝炎患者の救済を求める意見書

Ⅳ.その他

9月議会は、インターシップの学生17名が、議員と会派の議会活動に参加。主な感想として、「最初、堅苦しい議員のイメージでしたが、議員は県民のためにがんばっている、あたたかい素敵な方々だと思いました。」「受け入れ議員の所属する会派に集まっている議員は、それぞれ力を入れる分野の違う議員で、その横のつながりが議員の見識の広さを支えている。」「会派の雰囲気は決して重苦しいものではなく、だからこそ意見交換が活発に出来るのだと思いました。」「県がより良くなる可能性がとても多いことを知り驚きました。」「人とつながることの難しさ・人とつながることのすばらしさを学び、初めて人とのつながりを実感することが出来ました」など記されていました。

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