県議会質問

2014年6月18日

2.県内地域間問題の解消に向けた取り組みについて

次に、「県内地域間問題の解消に向けた本県の取り組みについて」質問致します。

県内ではこの間、1999年4月から2010年3月まで、いわゆる「平成の大合併」により、97市町村から60市町村へと自治体が編成されました。

総務省はこの「平成の大合併」について、「平成の合併推進も10年が経過し、市町村合併が相当程度進捗したことや、市町村を取り巻く現下の状況等を踏まえ、全国的な合併推進に一区切りをつけることとし、国や都道府県の積極的関与を廃止する」として、2010年3月5日の時点において「平成の大合併」を総括するために「『平成の合併』について」を取りまとめ、公表しました。

これによると、「合併の本来の効果が現れるまでには10年程度の期間が必要である」と前置きしつつ、合併による効果として、専門職員の配置など住民サービス提供体制の充実強化や少子高齢化への対応、広域的なまちづくりが進むとされています。

しかし、逆に、合併による問題点・課題として、周辺部の旧市町村の活力喪失、住民の声が届きにくくなっている、住民サービスの低下、旧市町村地域の伝統・文化、歴史的な地名などの喪失などがあげられるなど、「多くの合併市町村では行政、また市民の合併への評価は大きく分かれている。」と指摘しています。

そして、「合併を実現した市町村については、なお多くの課題に直面していることを踏まえれば、国及び都道府県は、引き続き、これらの合併市町村に対する確実な支援を行っていく必要がある。」と述べています。

総務省の指摘にもあるように、市町村合併の本来の効果が現れるまでには、10年程度の期間が必要だと考えると、本県においては、2005年1月24日の福津市をはじめ、2005年2月5日久留米市、2005年3月20日うきは市、2005年3月21日柳川市、2005年3月22日筑前町、2005年3月28日宗像市、2005年3月28日東峰村、2005年10月11日上毛町など、いずれも来年には合併10年を迎えることになります。

そこで知事に、まず市町村合併についてお聞き致します。
最初に、先ほど申し上げた本県内合併自治体について、合併10年を迎えるにあたり、合併の評価をいつの時点で、どのように行おうとされるのかお聞きします。

その場合、合併自治体の評価、その尺度は様々あると思いますが、県としてどのような指標で評価を行うべきと考えているのか、お聞きします。

次に、合併自治体の人口減少の状況についてです。
今日、自治体の活力などをとらえるには財政力指数をはじめ、企業誘致、中心市街活性化などで図ることができます。そして、なかでも人口動態は大きな評価材料といえます。
しかしながら、「平成の大合併」後の県内合併自治体の人口動向をみたとき、合併した多くの自治体で合併後の人口は減少しているのが現状です。

そこで、市町村合併に対する2点目の質問です。
知事として、「平成の大合併」後の県内合併自治体の人口減少の状況をどう考えるか、お聞きします。

次に、都市圏への交通アクセスについてであります。

現在、福岡市の人口は151万4千8百人に達しています。
2010年「国勢調査」にもとづき、「従業地・通学地に関する人口・産業等集計」によると、福岡市の昼間人口は約170万人となり、他市町村から18万人超が市内に流入していることになります。特に中央区、博多区が他の5区に比べ突出して高くなっています。

また、こうした都市部への昼間人口の流入は、筑紫市郡、糟屋市郡など、いわゆる福岡都市圏全体でも顕著であります。

これは、福岡市内はもとより、筑紫市郡、糟屋市郡など福岡都市圏への通勤、通学が非常に多いということの表れでもあります。

こうした福岡都市圏への昼間人口流入を加速させているのは、そこに勤務先となる企業や高校・大学・専門学校が集中しているということがあります。そしてなにより、そうした目的の場所へスムーズに到達できるという交通アクセスの良さが背景にあります。

そこで考えるのは、勤務先や通学先は福岡都市圏ではあるけれども、居住は県内他の地域、地元自治体にあるというのは、都市と地方の均衡ある発展を考える上でも理想形と考えます。

筑豊、県の東部、県南地域のそれぞれの各自治体に居住し、自宅から福岡都市圏にスムーズに移動できるとなれば、職と住が分離する、いわゆる「職住分離」が進むことになります。

なお、この「職住分離」というのは、職場と住居を別々にする、いわゆる職は都市部で、住むところは地方でというライフ・スタイルを表す用語であります。

この「職住分離」を進めるためには、都市部と地方との交通アクセスの整備が必要であり、そのことが地方の定住化の大きな要因ともなります。

現状では、福岡市と北九州市を結ぶ福北ライン。さらには福岡市を起点として、JR鹿児島本線や筑肥線、西鉄大牟田線。また、九州自動車道の高速バスなど、福岡県西部には利便性のよい交通機関が集中しています。

県内の各地域での定住化を促進するためには、県内各地域から福岡都市圏への交通アクセスの向上が必要と考えます。

具体的には、JR、地域鉄道などの公共交通機関は重要性を持つため、その利便性の向上が必要です。