「ミャンマー連邦共和国」視察報告 その8
③「ミンガラドン工業団地」
ミンガラドン工業団地次に訪れたのは、「ミンガラドン工業団地」です。
ここは、ヤンゴン市街地から約20km、車で約1時間ほどのところにあります。ヤンゴン港まで約24km、ヤンゴン国際空港からは車で15分ほどの距離にあり、なお、1997年7月に開港した新コンテナ埠頭までのヤンゴン外環状線が近くを通る計画となっているなど、非常に立地的に良いところにあります。
[ミンガラドン工業団地の概要]
工業団地全景(模型)事業主体は、「Mingaladon Industrial Co.Ltd(MIPCL)」で、出資比率は、「ミャンマー政府建設省住宅局」が88.89%、Kepventure(シンガポール)が11.11%となっています。
第1期造成工事は終了。区画総面積899,911㎡(約90ha)。ミャンマーで初めての国際水準の工業団地として、「三井物産」とミャンマー建設省住宅局との共同開発となった。施工者は「三井建設株式会社」ご説明頂いた花 重男 Maneging Directorで、1996年3月着工、1998年2月竣工となっています。
団地の中には工場区画の他、道路及び公共空間、管理事務所、試験室、井戸・貯水槽、発電所、調整池、汚水処理施設などの区画が含まれています。
第1期販売については、41分譲区画(1区画の面積は約1ha〜4ha)、区画分譲価格はUS$48/㎡です。ただし、「土地使用権引き渡し書」の発行日から2048年2月7日までとなっており、別途、土地保有費としてUS$30/㎡/年の支払いが必要です。
[工業団地分譲の現状]
(1)工場の特色
ミンガラドン工業団地は、小規模および中規模の工場進出に最適とされています(衣料・縫製、食品および飲料品、電気・電子部品、機械パーツ、プラスティック部品、医療関連製品など)。
(2)販売状況
41区画あるが、2003年から2009年まではまったく売れなかった。しかし、2009年以降、一気に売れてしまった。台湾が最も多くて10社、韓国3、他はシンガポール、フィリピンの会社が契約している(有期契約)。日系企業は、2012年からすでに5社来ている。
(3)工業団地のインフラ
- 電気:高圧33KVで20メガワット給電(第1期区画分)。
- 給水:15基の深井戸により一日5,000 m3を給水。
- 廃水処理:廃水処理能力は一日5,000 m3。
- 電話回線:電話回線300本のIDDとFax回線を確保。
- 外周堤防、雨水溝及び調整池:外周堤防、雨水溝及び調整池により工業団地を防護されている
- 警備:24時間体制で、警備会社による工業団地内の治安が確保
(4)進出日系企業
- 味の素(食品)
- Htet Pyae Phyo(電気)
- Postarion(衣料)
- TI Garment(衣料)
- Famoso Clothing(衣料)
(5)外国投資の奨励制度として、
- 3年間の所得税免除。
- 加速減価償却。
- 50%を限度とする輸出から生じた利益に対する減税。
- 欠損(損失)の3年間(事業年度)の繰り越し。
- 営業開始から3年間の原材料の輸入関税、その他諸税の減免措置。
- 国営化しない事を保障。
- 外国資本100%による投資を許可。
(6)その他の利点
- 長期土地リース権の許可(約36年)
- ミンガラドン工業団地規則によって維持されている良質な製造業の環境。
- 近郊からの労働者雇用が便利。
- ミンガラドン工業団地への投資に関して総合的なお手伝い。
その後、いくつかの質疑応答を行い、ミンガラドン工業団地の視察を終えました。
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